プロローグ
一話一話が短いですが、気長にお読みください。
そもそも俺ってなんだっけ?
小さい学校の小さい教室で小さい少年少女たちがふざけあう中で、同じようにふざけあっていた。はずだった。
みんなで一致団結して成功させよう!と意気込む小学校の文化祭で同級生たちと一生懸命に準備した。はずだった。
同級生と喧嘩して、喜んで、泣いて,笑っていた。はずだった。
友達と呼べる存在がいた。はずだった。
そう。はずだった。いつから?いつから違っていた?自分も同じ人間だった。最初は同じだった。
いつから、いつから、いつから、いつから、いつから、俺は人じゃなくなった?
あの日から、2年前のあの日から・・・・。
俺はもう『ヒト』じゃない。
2年前4月1日9時24分。エイプリルフール。嘘の日。皮肉にも、俺の誕生日だった。
小学5年生、俺は親友の遠坂涼とほか4人の友だちの計6人で、春休みにもかかわらず、今日は俺の誕生日ってことで、学校で遊ぼうということになり、学校の校庭で遊んでいた。
俺はまだ人間。
野球を楽しみながら、遊び始める俺たち。これから地獄が起きるとも知らずに遊んでた。
「いっくぞ~」
涼がバットを構えて、いう。そんな涼に向けて、俺はど真ん中ストレートにボールを投げる。
タイミングを合わして、涼は思いきりバットを振った。
その瞬間。一瞬だけ大地が揺れた。ヒトには感知できないほどのちいさな揺れだったから、俺も
涼も友だちも気付かない。大地が揺れるから、涼自身が揺れて、ジャストヒットだったバットは、ボールの上を空ぶった。想えば、これは地獄の前兆だったんだろう。
「よっしゃ!」
「あれっ?おっかしいなぁ?もう1ちょ!」
「頑張れよ―涼~」
友だちに励まされ、涼は今一度、バットを構える。
俺はまだ人間。
俺は、思いきり振りかぶって、ボールを投げた。金属製のバットと軟式の野球ボールが衝突する。
カキ―ン、とボールが俺よりはるか遠くの校舎まで透明な軌跡を描いていった次の瞬間。
『地獄』は舞い下りた。
地面に一瞬で何十もの亀裂が走リ、近所の家々が崩れ去る。
揺れる世界の中、視界の端に金のバットが飛んでいた。
「涼!!!!」
思わず叫んだその先のうずくまる涼に4階建ての校舎が倒れてきた。
俺はまだ人間。
俺は駆け出した。最後の友だちの元へ。一番の親友の元へ。いくつもの瓦礫が落ちている中へ、俺は飛び込んだ。
俺はこの時、人間じゃなくなった。
初投稿です!おかしなところもあると思いますが、是非読んでいただけるとうれしいです。
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