1日目
ある男の子の日常です。
大きなことを成し遂げた訳では無いが重く疲れてしまった体を連れて帰路に就く。早く家に帰りベットに埋もれたい。と言うのも少し前に新しいマットを買ってから、睡眠と言う行為が楽しくて最早ベットに埋もれるのが目標と言っても過言じゃない程だ。ベットに横たわり、最近ハマってるゲームを開き時間を無駄にする。お手本とは程遠い生活だが地味に楽しい。まぁなんて欲望に浸っていれば家に着いた。特に大きな家という訳では無いが、親が頑張って買った一軒家。生まれてから引越しをしたことなんて無いから、一概にとは言えないが住み心地は最高だと思っている。さて、早くベットに埋もれよう。そう考え、ドアノブに手を伸ばす。その時、唐突な目線を感じた。目線は自分の背後を通り、その反動で背中が冷える。反射的に目線の方へと頭を向ける。目線の正体は少女だった。シワが少ないランドセルを抱えている。可愛らしいツインテールの少女。少女はお隣の玄関に座り、俺を凝視する。きっと小学一年生だ。
そう思えるほど幼く、可愛らしい少女だった。
一年生が家の前に座り何をしているのか。ふと嫌な予感が頭の中を走った。だが結局は予感だ。当たる訳が無い。きっと鍵を忘れでもしたんだ。すぐ親が帰ってくるだろう。そう言い聞かせ少女を無視する。視線が刺さるが気にしない。ドアノブに手を伸ばし家の中に逃げ込む。ドアが閉まる重たい音を聞けば自然と背中の冷えは収まる。頭の中にあの少女が残ったまま部屋着に着替え、望んでいたベットに飛び込みゲームを開く。少女の事もあり、心地よくベットとゲームの良さに浸れなかった。だが数十分もすれば少女の事など頭には残って居らずただ時間を無駄にした。時間を無駄にしてしまったと後悔にも反省にもならない言葉を自分にかけ、あと数時間の一日を楽しんだ。