2話 地の文とは?
衝撃のラストを迎えた前回。それから、はや一年の時が過ぎたとかすぎていないとか……。
今回も似たようなテイストでお送りいたします。
方太郎「さて……衝撃のラストを迎えた前回から、早くも一年の時が過ぎた。男運のない文夏は101人目の男にフられてしまい、そのショックから異世界へと旅立ち無双ハーレムを築いているとか? 俺は相変わらずのんびりとスクールライフを堪能し……」
文夏「嘘をいうなー!!!」
方太郎「おう文夏! いつのまに帰ってきたのか!?」
文夏「そのネタまだ引っ張るの?……まったく、急に話が終わったと思ったらすぐに2話って、どうなってるのよ」
方太郎「1話でも言っただろ? 2話に話が持ち越しただけだから、時間は全然経ってないって。たぶん、今回も尺が延びそうになったら急に終わるから。……あっ、もちろん文夏は異世界に行ってないですし、一年も経ってませんよ。1話から10秒くらいしか経ってません」
文夏「だから、どこに向かって話してるのよ」
方太郎「読者さまだ!」
文夏「あー、はいはい。そうでしたね。ここアレでしたもんね」
方太郎「そういうこと。じゃあ、前回の続きといこう!」
文夏「なんか色々ありすぎて何話してたか覚えてないんだけと……」
方太郎「ほら、地の文が全く無いって話だよ」
文夏「えっ、その話し続けるの? 私が彼氏と長続きしない謎の話じゃないの?」
方太郎「その謎は前回解けてるから終わりだ」
文夏「いや私はわかってないんだけど!」
方太郎「まあ、そのうち分かるから待ちなさい」
文夏「……分かったわよ。で、地の文がない話をすればいいの?」
方太郎「そうそう」
文夏「うーんっと、そうねー……地の文が無いって、小説として大問題でしょ。そのせいで会話の上に名前があるんだし」
方太郎「そうなんだよなぁ。じゃあ、書いてみるか?」
文夏「え?」
そう言う文夏の表情は驚きに満ちていた。だが、方太郎は文夏よりもずっと驚いていた。
なぜかって? そう。なぜなら文夏は、放課後の教室で下着姿だったのだ。
文夏「おい」
方太郎「ごめんごめん。こっちの方がラノベとかっぽいかなぁと」
文夏「まったく。どこの世界に教室で下着姿になる女子が……」
方太郎「あはは……先に謝っとくわ。ゴメン」
文夏「は……? って、なんで下着姿なのよー!!!」
方太郎「地の文に書かれたら、そらそうなるでしょ」
文夏「メチャクチャだぁ!?」
方太郎「それにしても、文夏って案外大胆な下着を着るんだな。まさか黒とは」
文夏「見るな! 制服に戻せー!」
方太郎「分かってるって!」
文夏の下着姿はあくまで方太郎の妄想であって、現実ではもちろん文夏は制服を着ていた。第一ボタンを開け、少し着崩されたブラウスの隙間からはキレイな鎖骨のラインが見えている。きっと、この魅力的な鎖骨ラインのせいで方太郎は文夏の下着姿を妄想してしまったのだろう。
だが、パンツは先程からチラチラみえていたのでこちらは妄想とは言いがたい。
したがって、さっきの妄想は机の上に座り方太郎にパンツのチラ見せをしている文夏が悪い。
文夏「私は痴女か!」
方太郎「あはは、つい?」
文夏「つい? じゃない! なんで方太郎だけ地の文を書けるのよ」
方太郎「ん? 文夏も書けるぞ」
文夏「うそ!?」
方太郎「ほんとだって。試しに書いてみなよ」
文夏「そう言われてもどうすれば……」
私は困惑していた。
書けるなんて言われてもそうそう書けるはずがない。というか、そもそも登場人物が地の文を書くというのは如何なものか?
でも、少し書きたい。書いてみたい。
どうせなら、方太郎に仕返しがしたい。
けど、やっぱりよくないかもしれない。
……私は地の文を書くかどうか、とにかく悩んでいた。
文夏「……なんか、私の考えが駄々漏れなんだけど」
方太郎「そういうパターンもあるよな」
文夏「確かに! 登場人物の心情描写もあるけど!?」
方太郎「よし! 次は俺の番だなー」
文夏「な!? これ以上、方太郎の好きにはさせない!」
方太郎「はっはっはー! 悪いな文夏。サービスシーンは必要不可欠だから犠牲になってもらうぞ」
文夏「やめろー!!」
方太郎「もう遅いもんね! 文夏にはナース姿にでもなってもらおうか」
方太郎がゲスい笑みを浮かべた時だった。
タイミングよく、教室の扉が勢いよく開けられた。
???「そこまでだ方太郎! これ以上の狼藉は、例え文夏が許してもこの僕が許さない!」
文夏「私も許してないんだけど!」
方太郎「まさかお前は!?……っと、そろそろ尺が厳しいな。そんなわけで次回に続く!」
文夏「え?」
???「え?」
次回に続く。……はず
ついに、???が登場です。
よりカオスになる予感……