ここにいるかもしれないし、ほんとうはいないのかもしれないけれど
ときどき、不安になる。
なんだか無性に、心配になる。
自分はちゃんと、この世界にいるのだろうかと。
だれにも名前を呼ばれない、そんな日は珍しくない。
もちろん、誰とも会話をしない日だってたくさんある。
家から一歩も出ない日、もちろんある。
一週間以上こもっていることも、長期休暇中なら珍しくない。
それでもわたしはこの世界に必要なのだろうかと、ふと思う。
わたしがこの瞬間いなくなったとして。
だれに支障があるだろうか。
だれが、気付くだろうか。
いまこの瞬間にわたしが息をしていなかったとして、気付かれるのは、いったいいつになるのだろうか。
ときどきよぎる一抹の不安は、しかし現実になってみないと結果はわからないし、いつの間にかどうでもよくなっている。
たまに、ごくまれにだけれど。
わたしのことを呼んでくれる人が、いるから。