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ディクソン侯爵邸

さて、婚約が内定したパトリックは、とある問題に直面することになる。


領地のほうは、上手く回っているが、問題は王都である。

さらに言えば、屋敷である。

現在、王都の屋敷に居るのは、パトリックとメイド1人と蛇である。

それは客が来ないからこそ成り立つ。

貴族の屋敷に門番すら居ないのだ。

貴族として、これはマズイ。


パトリックはアレコレ思案するが、解決策が思い浮かばない。

カナーン家には、既にかなり人手を手配してもらっているので、そろそろ限界であろう。

他にツテがないパトリック。


ここで1つ思い出した!


「ディクソン侯爵を頼ろう」

以前の約束を覚えていてくれれば良いが。


早速、ディクソン侯爵が王都に持つ屋敷へ、メイドを走らせる。手紙を持たせて。


数日後、ディクソン侯爵家から手紙が届く。

「やった。覚えていてくれた」

手紙を読んだパトリックから、声が漏れた。


手紙には、屋敷に来るように書かれていた。

どうやらディクソン侯爵本人が、現在王都に滞在中のようだ。


先触れとして、メイドを走らせ、この日の午後、パトリックはディクソン侯爵邸に向かった。


供すら無く1人で歩くパトリック。

ここからして貴族らしくない。


ところで最近パトリックは、人に認識してもらえるように努力している。

普通に暮らすのに、認識されないのは不便なのだ。

店の前に立って商品を手に取ると、店員さんが、商品が浮いてると驚くのだ。


なので、基本的にはやる気を前面に押し出す感じで、存在感をアピールしてみることにしたのだ。


決してヤる気でも、殺る気でも無く、やる気である。

すると、ボンヤリだが認識してもらえるのだ。

逆に存在感を消す訓練もしている。

前にも増して消せるようになった。

消したときは、認識された事はない。


話は戻る。

門番に用向きを伝え、中に通される。

玄関には、ケビン君が迎えてくれた。

「伯爵様、お久しぶりです」

と、キラキラした目でパトリックを見るケビン君。「お元気そうでなによりです」

と、答え、応接間に案内される。


既に当主本人が待っていてくれた。

「お久しぶりです。今回は無理を言って申し訳御座いません」

と、パトリックは頭を下げる。


「いやいや、約束ですからな。それにこちらにとっても悪い話ではない」

と、ソファを勧めながらディクソン侯爵が言う。

「失礼します」

と言い、ソファに座ったパトリック。


「うちぐらいになると、屋敷に勤める者達も多い。その息子や縁者に、勤め先を紹介するのも一苦労なのだ。使用人として迎えるのも限界があるのでなぁ。で、どの位雇える?」


貴族に勤め先の無心をする者は多い。

無関係な者なら即断るが、使用人の縁者、それも重要な者の頼みとなると、断り辛い。

派閥の男爵や子爵の使用人として、紹介したりするが、それでも数が少ないので、全てを斡旋できるわけではない。


なおサイモン中将は家の事に関心がない為、この辺の事情を知らない。


「とりあえず、王都の屋敷の執事、メイド、門番、料理人、馬車の御者、供と言うか付き人、屋敷の警備、この辺でしょうか。なにせ今は、メイド1人しかいませんので」

と、パトリックは正直に話す。


「となれば、執事と補佐で2人、メイド5人ぐらい、門番は…」

と、ブツブツ言いながら、考える侯爵。

「とりあえず20人は必要か」

と、結論をだす。


そんなに必要なのかと、パトリックは驚くが、顔には出さない。

「人種はこだわるかね?」

「いえ、こだわりは無いです」

「ふむ、ならば何とかなる。よろしい。これで借りが返せる! いや、借りよりも君と更に繋がりが増えるのは、我が家にとっても喜ばしい!」

にこやかに笑った侯爵。


その日、夕飯を誘われて、侯爵やケビン君、そして、初顔合わせとなった、奥方2人、長男、次男、長女と、親交を深めたパトリック。


今回、勢揃いで王都に居た理由が、王太子との結婚式の参加であったことを聞き、慌てて起立して、お祝いの言葉を述べ、後日お祝いの品を贈ると約束して、屋敷を辞した。


ここで王国の結婚の説明を。

妻の数は、最大5人と決められている。

それは特例としてである。

基本は、3人まで。

王が妻3人なのもこの為だ。


特例とは何か。

跡継ぎとなる男子が産まれ無い場合である。

3人妻を娶って、男子が産まれないようなら、特例申請をして、許可されれば、更に2人認められる。

そんなの離婚して新しく貰えば良いと思った、そこの貴方!

貴族間での付き合いを舐めちゃいけない。

離婚即ち敵対行動である。

貴族は易々と離婚出来ないのである。





何贈ればいいの?

と、1人考えながら帰ったパトリックだった。



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