表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
94/316

3年

家紋


それは、家を表す紋章。


王家は、鷲をモチーフにしている。

武家貴族は剣や槍が多い。

あとは、強い動物。


領地の特産品的な家紋もある。

代表的なのは麦の穂だ。

旧リグスビー家も、麦の穂をイメージした家紋であった。


ただし、強いからと言って、魔物を家紋にするのは、タブーである。

いくら強いからと言って、竜を家紋にするわけにはいかないのだ。


これは王国の決まりであり、他国には、竜を家紋にする家も多い。


王家にとって魔物は討伐すべき対象であるからして、討伐すべき対象を家紋にするわけにはいかないのだ。



パトリックは、この家紋の申請を忘れていた。

では、執務の時はどうしていたのか?


家紋の押印が必要な書類は、王家に提出する書類に限られる。

他はサインだけで良い。

王家に提出する書類とは、だいたい税関係である。

パトリックは、まだ税を払っていない。

初年度は、免税されていたからだ。


初年度の利益で、これからの領地経営の予定を立てる。

最初は金が掛かるのが想定されるので、免除だが、来年からは、キッチリ払わなければならない。

まあ、税のほうは、酒の利益があるので、問題無さそうではあるが。


さて、王が決めたという家紋の印が、役所から届いた。


短剣に2匹の蛇が絡み付いていた。


「まあ、スネークスだしなぁ」

しっかり複数形だった。


この印、実は魔道具であり、けっこう高価である。

人が持つ魔力により、印が押される。絶対消えないインクみたいなものである。偽造防止の為であり、他のインクだと、水や油を垂らすと、滲んで行くが、魔力のインクは、滲まない。


それに合わせて、王家より王家とスネークス家の家紋入りの短剣も届いた。

貴族当主の証である。


最近のパトリックは、月の半分は8軍、残りは領地という生活をしている。


だいたいの領地当主の軍人は、この勤務システムである。


伯爵になってしまったパトリックは、けっこう忙しい。

決裁の書類に目を通してサインする。

不可なら、不可の印を押す。


また、領地を視察したり、酒蔵にあるウイスキーやブランデーの熟成具合の確認、新たに仕込んだ日本酒、現地名はイネッシュ(梅酒に似た名前があったなぁと、名付けた。)とした、酒の確認。

旧ハーター領で、新たに芋の栽培も推奨しだした。サツマイモである。

この男、イモ焼酎も作る気だ。


王都に戻れば、8軍の訓練と、自身の訓練、たまに1〜3軍の訓練にも駆り出される。

先日など、近衛騎士団すら、パトリックの訓練の洗礼を受けた。

トローラ伯父からも、死神と呼ばれ、少し落ち込んだ。


そうそう、8軍名物、ランニングだが、グレードアップした。

今までは軍服でランニングだったが、今は第1装備、つまり戦争装備でのランニングになった。


パトリックは、不可侵条約が切れた時、帝国は即宣戦布告すると思っている。

それを見越しての訓練だ。

鎧を着け、武器を装備すると、重いわ走りにくいわで、かなり辛い。

まあ、部下からの非難の目が、声が、少しウザかったが無視した。

まあ、ウイスキーを振舞ったら、ころっと態度が変わったのだが、それは置いておこう。


そして、王都のパトリックの屋敷に、度々おとずれる女性が出現した。


まあ、王に言われたときは、さすがに、

「マジで⁉︎」

と、王に言ってしまい、慌てて土下座して謝罪したのだが。



パトリック、18歳、軍に入って3年。

伯爵や中佐よりも驚く事になった。



パトリック婚約。



相手は言わずとも、読者で有れば判るだろう。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ