ぴーちゃんの食事事情
数時間後、お腹がパンパンに膨れたぴーちゃんが、玄関ホールで横たわって寝ていた。
パトリックは、冒険者に依頼して、掃除と草刈りをして貰う。
とりあえず屋敷の中の掃除は終わった。
冒険者は、ネズミのフンの掃除に疲れ果てていた。
家具の類は全く無いので、その日は、毛布を敷いて寝た。
翌日、寝具だけ買い揃えた。
荷物は、リュック1つに収まる程度しか無いのだ、タンスなど必要ない。
この日から、パトリックはぴーちゃんの餌狩りから、解放された。
なんせ家の中に餌が住んでいるのだから。
ぴーちゃんは、各部屋を巡回して、ネズミを食べる。
どんどん大きくなる。食べる量が増える。
2ヶ月後、屋敷からネズミが消えた。
駆逐したらしい。
また、餌を狩りにいかなければならないかと思いきや、蛇は、数ヶ月食べなくても平気だと人から聞いた。
パトリックは、月に一度、森にぴーちゃんを連れて行き、食いだめさせる案を思いついたのだった。
森にぴーちゃんを連れて行き、
「行っておいで」
と、言いながら、ぴーちゃんを地面に置くと、スルスルと音もなく草むらに消える。
数分後、何かの叫び声が聞こえる。
1時間くらい、数分間隔で叫び声が聞こえ、戻って来たぴーちゃんのお腹は、樽のように膨らんでいた。
パトリックは、ぴーちゃんを持ち上げ、
「重っ!」
と、言いながら、屋敷に戻るのだった。




