北へ
カストロール・アンドレッティ大将からの、命令書により、8軍は翌日に出発した。
北に向かって。
ただ、パトリック直属の小隊だけは、別行動をとっていた。
街道に出る盗賊程度、今の8軍にとっては、格下で楽勝と思ったからだ。
それだけ鍛えた自信がある。
さらに出発前に、
「いいか! 誰一人死ぬことは許さん! 全員生きて帰ってこい! 誰か一人でも死んだら、訓練倍にするからな! 今までの訓練を思い出せ! あれだけやったのに負けるはずが無い‼︎ 一人が危なそうなら、皆でフォローしろ! いいな‼︎」
と、発破をかけた。
倍と聞いて、兵たちは真っ青にはなっていたが。
パトリック達は、8軍の少し後ろ、平原でギリギリ目視出来る距離で、8軍の動きをチェックしていた。
「お、出たな盗賊」
「やはり商隊に偽装するのは、有効ですね」
「盗賊って、バカばかりだなぁ」
「お、戦闘が始まったな」
「てか、盗賊弱過ぎません? もうほぼ終わりそうですよ?」
「まさか、ばらけてた商隊が、全部仲間で、総攻撃されるとは思わなかったのかな?」
「適度に距離も開いてたし、別の商隊なら、襲われた商隊を無視して、逃げるのが定番ですからなぁ」
「あ、終わった」
「10分かかってないな」
「上出来!」
哀れな盗賊は、数人の捕虜以外は、殲滅させられていた。




