発見
ルドルフ達は街道を避け、森の近くを駆けていた。
流石に森の中では馬は無理なので。
言うなれば林。
まばらに木があり、馬がなんとか歩ける場所を。
スピードは落ちるが、敵に発見され難い方を選んだのだ。
それと食料の補給も。
「居たぞ! 兎だ!」
弓矢で兎をとった兵を褒めてから、ちょうど良いと、食事の準備に入った一行。
小川をなんとか見つけ、水も確保して、煮炊きの準備をする。
2人が食事の準備をして、残りは周りの警戒をしていた。
ルドルフは、何もせずに急造のかまどの横で、寝ていた。
なにせお坊ちゃん育ちで、馬で駆け通しなど初めてであり、慣れない野営で疲れ果てていた。
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走竜は、森の中を走れる。
パトリックは、正門が開いてから、ミルコ達と合流し、敵の残党狩りをしていた。
脱走兵が盗賊に。
よくあるパターンである。
そして、だいたいの脱走兵は森に隠れる。
それを見つけては斬りを繰り返していた。
「おい、あれを見ろ」
他の3人を小声で呼び寄せ、指差す方向を見させる。
「帝国兵、いや、幹部か?」
監察官が言う。
「ああ、あんな目立つ白い服や装備からして、相当上だろ? もしかすると貴族かもしれん、捕らえれば身代金が取れるかもしれん。身代金の2割は捕らえた兵への褒賞だ。
一儲けしようか」
ニヤリと笑うパトリック。




