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待つ
王国軍指揮官が揃い、作戦の打ち合わせが始まる。
まあ、サイモン中将の指揮のもと戦うのは決定で、作戦の概要と陣の確認だけなのだが。
「という作戦で動く。別働隊はすでに動いているはずだから、それまでは砦を囲んで待機だ」
サイモン中将の言葉に、南軍、西軍の生き残りの指揮官が顎を引く。
「どれくらいの時間が必要でしょうか?」
聞いたのは、生き残り部隊の指揮官。
「先の戦では、我らが戦闘開始してからの焼き討ちだったからのう。流石に砦の中では思うように動けないと考えねばならんだろう。
今日は無理と見て、明日以降だろう。兵に温かい食事を!」
「了解です。干し肉ばかりだったので、兵も喜びます」
「うむ。しっかりと休ませろ。明日からは、待ちだが、いつになるか分からんのを待つのは、案外しんどいものだからな」
「ですな。しかし大丈夫なのですか? その者、まだ一年目でしょう?」
「一年で少尉になる男だぞ? まあ、ダメだったら正攻法でやるしかないのだ、それだと多大な被害が出る。ならば少し期待して待つのも良かろう」




