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砦へ
「カーリーとリグスビーはまだか?」
聞いたのはウエスティン侯爵。
「はあ、子息様や兵は到着しているのですが、予定を過ぎてもまだ」
「他は揃っているというのに、のろまめ!」
そう、あの二家以外は揃っていた。
というか、あの二家が遅過ぎ、しかも兵を連れていないなど、戦争、反乱に加担している自覚が乏し過ぎる。
だからパトリックに殺されたわけだが。
「そろそろ王国軍が攻めてくるぞ。守りを固めろ! 先の様に、食料を焼かれることがないようにな! まあ、ここはちゃんとした砦なのだから、心配はないだろうがな!」
一方王国軍は、順調に進み、
「サイモン中将! 見えました! 西の砦です! 城壁の上に弓兵多数!」
兵の声に、サイモン中将は、
「うむ、弓矢の届く手前で一旦止まるぞ」
「はっ!」
「西軍の生き残りと、南軍の増援部隊に伝令を出せ、打ち合わせをしたい」
「は! 走らせます!」
二頭の馬が兵を乗せて走り出す。




