追撃
反乱軍が西の砦に向け撤退を開始した。
追撃を開始する王国軍。
反乱軍は食べる物が乏しく、ほぼ水のみ。
塩さえ焼かれたのだ。
体力の低下、それよりも士気の低下が著しく、かなりの数を、王国の矢と剣、槍に奪われた。
「金髪の悪魔がっ!」
そう叫んで、無謀に特攻してくる反乱軍を、ウェインは槍で次々と、討ち取っていく。
一通り討ち取った後、
「誰が悪魔だっ! 俺は人だっての」
そう言い、新たな敵兵に目を向け走るウェイン。
西の砦の門の中に到着し、
「何人たどり着けた?」
腕の火傷を気にしながら、副官に尋ねる反乱軍指揮官。
「は、おそらく500ほどかと」
「そ、そんなにやられたのか⁉︎ 2000で来たはずだろうがっ!」
帝国軍1000、ウエスティン軍500、その他4家で500。
4分の3が失われたことになる。
壊滅的な負けである。
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「何人やられた?」
サイモン中将の問いに、
「400ほど戦死、200程が負傷と言ったところかと」
「かなりやられたな。いや、あのまま戦っていたら、その倍はやられていたかもしれぬ、パトリック少尉が上手く動いてくれたおかげだな」
「はっ。しかしここからですぞ。次は先のような、にわか砦とは違いますからな」
「まさか、我が国の砦を落とさねばならんとはなぁ」




