表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
38/316

ビクンッ

敵陣中央は、かなりの火の手に包まれていた。


パトリックは、残った油を1番大きなテントに向けて投げかけて、マッチを投げつけその場を離れた。


「戻ったぞ」

その一言だったのだが、待っていた三人は体を跳ねあげたようにして、驚いた。


「少尉、頼みますから、味方に近づくときは、足音大きめでお願いしますよ〜」

ミルコが申し訳なさそうに言う。


「いや、火の手も上がってるし、大騒ぎしてるから、そろそろ戻ってくるって分かれよ!」

「そう思って待ってたんですけどねぇ」

コルトンまで、この言い草だ。


「で? 首尾は?」

「バッチリさ。鎧替えて逃げるぞ」


急いで革鎧を替え、走竜に乗ると、森の中に入っていく。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


「燃えたテントはいくつだ?」

先鋒隊を指揮していた男が部下に聞く。

「は、20ほど焼かれました。何より、食料を保管していたテントは、軒並みやられました」

部下が答える。


「馬鹿者! 兵は何をしていたっ! これでは明日以降戦えんではないかっ!」

ツバを飛ばしながら怒鳴る指揮官。


しかし、この指揮官も人の事は言えないのだ。

1番大きなテントの中で寝ていたため、火のまわりに気がつくのが遅れ、右腕に大火傷を負っているのだから。

(兵が戦っているのに、呑気に寝てるから火傷するんだよ!)

と、心の中で叫んだ部下は、

「申し訳ございません、しかし、兵達は怪しい者は見てないと言っておりまして」

と、言った。


「明らかに敵の放火だろうが! これだけのテントが、自然に燃えるはずがないだろうがっ!」

当たり前である。


「それはそうなのですが、誰に聞いても、変な者はいなかったと」


「ええぃ、無能どもがっ! とりあえず本隊に伝令を出せ!」


「は! 直ちに!」




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] 逃げ出した茶髪の男が放火犯ってなりそうw
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ