表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
302/316

第1砦


ぴーちゃんこと、ピクロスティアーの頭に乗るパトリック。


先頭を凄まじいスピードで移動していく。

後に続くスネークス王国の馬隊は、必死で馬を駆けさせる。

馬車隊や歩兵はとっくに置いていかれている。

それを見て、


「ぴーちゃん、ゆっくりでいいよ、力温存しておいて」

そう言ってぴーちゃんのスピードを落とさせるパトリック。


元メンタル王国西の砦、現スネークス王国第1砦にパトリック達が入る。

ぴーちゃんに慣れてない者達が逃げ惑ったが、些細な事である。


「状況は?」

パトリックが言うと、


「敵ザビーン帝国兵士が、ウチの動きを怪しんでいるのか、国境より西の草原にて、集結中とプラムの鳥人族部隊より報告がありました」

先に来ていたワイリー中将が報告する。


「勘付かれたか? さらに集まると厄介だ。明日の朝に仕掛けるぞ!」

少し眉間に皺を寄せたパトリックが、そう指示した。


「はっ! 兵に充分な食事と休息を与えます」

と、ワイリーが敬礼して答えた。


「ああ、夜明け前に集合させよ」


「御意!」

そうして、戦の前日の夜が最終準備を終わり、眠りについた第1砦。


まだ暗い中、砦の中庭に勢揃いしたスネークス王国第1砦軍と、毒蛇隊。

毒蛇隊は元8軍や2軍の兵達も入隊しており、精鋭部隊である。


ところで何故こちらに集結しているのか。

北から攻めないのか?


北は山岳地域なので、大部隊の侵攻には向かないのだ。それにそろそろ雪も降る。

なので少数の部隊で攻めることはあるかもしれないが、主勢力はこちらから侵攻するとパトリックは決めたのだ。


一万人ほどの大部隊が集結している。

ワイリー中将のセリフで気が付いただろうが、プラム獣人軍もこの中に入っている。その数3000。


「スネークス王国軍よ、応援に来てくれたプラム獣人軍達よ。これよりザビーン帝国を攻める。いつ来るかと思いながら不安な日々を過ごすより、先に攻めて叩く! すまんが皆の命を危険に晒すことになる。死ぬ者も出るだろう。だが、ザビーン帝国が万全の準備をして攻めて来る前に叩かねば、こちらの被害は想像を絶するものとなろう。後顧の憂いを無くす戦いである。私も皆と共に戦う。プラム獣人軍達は、我が軍の補佐をしてくれれば良い。我が国のために来てくれた事を感謝する! あ、エリオ! お前は最前線な! では! 出陣!」


そう言って、移動を開始したぴーちゃんの頭の上に居るパトリック。


続々と兵士が歩き出す。

エリオの悲鳴が響く第1砦から、ジタバタするエリオを引きずりながら。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] (*`・ω・)ゞポチっ★★★★★
[一言] プラム獣人軍は3千ですか。意外と少ないですね。反乱に共謀して援軍に出たプラム軍は確か1万でしたが、ぺーちゃんにほとんど壊滅されたので、これくらいしか獣人兵は残っていなかったのでしょうかね。 …
[一言] エリオは当然最前線なのねw
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ