悲鳴
明日、9月15日は、
転生したら兵士だった?!〜赤い死神と呼ばれた男〜2
の、発売日です。ソナとパトリックの表紙となっております。
是非よろしくお願いします。早い所だともう並んでいますので。
「ヒイィィィィッッ‼︎」
と、大声を漏らして、少し飛び上がったようになってから、前方に倒れるのを両腕で防ぎ、声のする方に顔を向けたアリシア第3王妃に、
「スネークスです、助けに来ました」
と、パトリックはもう一度告げた。
「あんたちょっとは考えなさいよ! ビックリして口から心臓飛び出るかと思ったわよっ!」
と、怒鳴ったアリシア第3王妃に、
「アリシア王妃、声がデカイです! 人が来ます! それにキャラが変わってます!」
と、注意するパトリック。
「そりゃデカくもなるし、キャラだって崩壊するわよ! 全くっ! で? どうやって逃げるのです? あなた1人なら可能でしょうけど、私を連れて戦闘しながらは無理でしょう?」
と、途中からキャラを戻したアリシア第3王妃。
「何簡単ですよ、ここにも窓は有りますから」
パトリックは、そう言って窓を開けると、
「プー! ここだ!」
と、大声で叫ぶ。
アリシア第3王妃の叫び声と、パトリックのプーを呼ぶその声を聞いた家の者が、軟禁されている部屋にたどり着くより前に、窓まで猛スピードで降りてきたプー。
「プー、アリシア王妃さまを乗せて上空で待機。いいね?」
ギャー
「よしよし、いい子だ」
そう言って、プーの背に怖がるアリシア第3王妃を、無理やりお姫様抱っこしてから、放り投げたパトリック。
「あんぎゃー」
と、王妃らしからぬ声を上げて、空中を移動させられたアリシア第3王妃が、プーの背にある鞍の後ろにある籠にすっぽりと収まった。
そしてプーがアリシア第3王妃を背に上昇した後、部屋に到着した兵やキュリアル男爵達。
「な、何故貴様がここにいる! スネークス!」
と、驚いた表情で言い放つキュリアル男爵。
「辺境伯閣下が抜けてるぞ、キュリアル! たかが男爵風情が! 反乱に手を貸すとは、しかもアリシア第3王妃軟禁とはな。この罪、王太子殿下より全権委任された、このスネークスが成敗してやるわ!」
と、何故かキメ顔で言ったパトリック。
もちろんウィリアム王太子から、全権委任などされていない。
言いたかっただけだ。
ただ、キュリアル男爵家の兵の腕前は、たいした事がない上に、狭い屋敷の中では数人ずつしか突撃できず、それを順番にパトリックが斬り捨てるという、もはやパトリックにとって作業でしかなかった。
向かってくるものは全て斬り殺した後、キュリアル男爵当主が、背を向けて逃げたのだが、パトリックの手から放たれた1本の手裏剣が、キュリアル男爵の首の後ろに刺さり、ガッと言う声を漏らして頽れた。
「さて、首持って帰れば良いかな。あ、家族どうするかな?」
暫し考え込むパトリック。
「とりあえず探してみるか」
そう言って動き出した。
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