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キュベス大佐

すいません、月曜、水曜、金曜の更新となります。隔日とか、わかりにくい表現でした。


副官のキュベス大佐に向けてパトリックが、


「キュベス大佐! ウィルソン少将……いやもう少将では無いな。ウィルソンを牢に入れて厳重に見張りを。死なせるなよ! 王都で使うからな!」

と、言ったのだが、キュベス大佐から返事がない。 


「キュベス大佐、どうした?」

パトリックがキュベス大佐の顔を覗き込んだのだが、


「いつからだ?」

と、小さな声で呆れて呟いたパトリック。


「スネークス中将、キュベス大佐はどうされたのです?」

ウィルソンを押さえつけていた兵が、パトリックに問いかける。


少し青い顔をしているが、吐きそうな気配では無い。パトリックは、問いかけてきた兵を見つめて、


「目を開いたまま寝てる」

と、苦笑いしながらこたえた。

なるほど、微かにイビキが聞こえる。


「さすがキュベス大佐。だいたいの事には動じない、岩のキュベス!」

と、大佐を褒め称えた。


「うむ、図太いのは認めるわ! 目の前であんなに騒いでるのに、目を開いたまま寝れるとか、なかなかのもんだ」


「昨日は準備で、寝てないと仰ってましたので。今日も馬車で寝ると、公言しておられましたし」


「よくサボる大佐なのか?」


「いえ、休まないのでこちらが心配になるくらいの、働き者の大佐ですよ」


「信じられんなぁ〜」

パトリックがキュベス大佐の肩を揺らして、目を覚まさせるのだった。


〜〜〜〜〜


森の中に身を隠し、潜んでいた獣人兵士達。

数は1万を超える。


「よし時間だ。進軍開始だ!」

プラム王国兵の指揮官である、獅子族の男がそう言って、部隊に進軍を指示した。


全て歩兵だが、獣人の身体能力は高いので、馬などよりよほど速く走る事ができる。そのため馬はほぼ居ない。食糧を運ぶ馬車にだけ馬が居るような感じだ。


森の木々を飛び交う猿の獣人が、斥候役となり、先行していく。続く足の速い猫系の獣人や、犬系の獣人。

その後に熊や牛の獣人が続く。


嗅覚に優れた獣人達が、普段とは違う独特の臭いをキャッチした。


「竜種だ! 竜種が近くにいるぞ! 警戒しろ!」


「こんな場所で竜種? 地龍か?」


地龍とは、空を飛べない四つ足の竜だ。読者にわかりやすく説明するなら、コモドオオトカゲを15メートルほどにした姿を思い浮かべて欲しい。それに頭部に二本の角を生やせば完璧だ。


「いえ、空から臭います。ワイバーンかと!」


「なにっ! メンタル王国の森から抜け出してきたかっ! 総員上空注意っ!」


「臭いが近いです! すぐ上かとっ!」


「なにっ?」


指揮官が慌て顔を上に向けた。


森の木々の隙間から、はっきり見えた。そこに2匹の翼竜の姿が!





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― 新着の感想 ―
[一言] いくら指揮官が獅子族でも翼竜相手は荷が重すぎて気の毒ですねw ですが、プラム王国兵たちをタダで逃げ帰らせては、裏切ったプラム国王に対する落とし前がつかないですね。 ここはプラム王国に逃げる…
[一言] かわいそうに…死神に関わってしまった獣人達に敬礼!
[一言] 寝ていたんじゃなくて失神してたんじゃないの・・・?
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