良い情報と、悪い情報
章分するとしたら、ここから二章かな?
めんどうだからしないけど。
殿下の侯爵領視察は、無事終わったらしい。
何故か、殿下と侯爵家の長女との婚約も決まったらしいです。
そんなおめでたムードをぶち壊す知らせがきた。
「帝国の動きがあやしい?」
「どうも、食糧と鉄を大量に輸入してるらしいぞ?」
兵站と武器製造か。
「相手は?」
「多分我が国だろう」
「だよなぁ。仲悪いもんな」
帝国。
正確には、ザビーン帝国。
我が国の西に存在する、かなり大きな国である。
人族至上主義を掲げ、人族以外を差別、迫害している。
我が国は、人族中心国家だが、来るもの拒まずで、移民を受け入れているので、数は多くはないが、エルフやドワーフ、獣人も住んでいる。
貴族にも、その血を受け入れる家もあるくらいだ。
あと、隣なので領地問題、水問題、特に問題なのは、国境付近にある鉱山だ。
山の尾根を国境としている箇所があり、その山に鉱山が有るものだから、どっち側から掘っても、鉄が出る。
その利権を争って、外交官達が、あの手この手でやりあっていたのだが。
「手っ取り早く戦で鉱山を手に入れるつもりか」
「あの国、鉄があまり取れないから、喉から手が出るくらい欲しいんだろうなぁ」
「国境を守っているのは、西方面軍と、ウエスティン侯爵領軍か。どう思う?」
「西方面軍はまあ、それなりに力があるから、来てもすぐにどうにかなる事はないだろう。問題はウエスティン侯爵領軍だな。あの家、最近金回りが悪くて、兵が減ってるって話だしなぁ」
「なんでも、侯爵夫人の金づかいが、ヤバイらしいな?」
「宝石、ドレス、貴金属、手当たり次第に買ってるらしいな。まあ、宝石と貴金属は、売れば金が作れるが、ドレスは完全にオーダメイド品だしな」
「あと、どうも地下ギャンブルにもハマってるらしいぜ?」
「マジかよ? 地下ギャンブルとか、ハイリスクの塊だろ?取られる一方だろ」
「それを制御できてない侯爵閣下も、どうかと思うぜ?」
「声がデカイ! 聞かれたらどうすんだ!」
「あ、悪い悪い」
どうにも嫌な予感がする。




