休暇が貰える
一晩、ゆっくり邸のベッドで眠った俺は、気分爽快。
テント、馬車の中で寝るのとは、大違いである。
朝食まで頂き、兵も満足そうだ。
「では、侯爵閣下、ケビン殿、我らは王都に戻ります」
挨拶を済ませて、帰還する。
帰り道もほぼ順調、たまにオークが出るぐらいで、問題なく進む。行きと違って盗賊も出ない。この辺りに居たのは奴らだけだったからだ。
「魔物、および盗賊の掃除任務、滞りなく終了致しました」
パトリックは上司に報告する。
ケビンの事は、内緒である。
侯爵家の面子の問題だ。お礼の金貨は、口止め料も含まれている。ここは暗黙の了解というやつだ。
「ご苦労! 2日ほど休暇をやる。兵を休ませてやれ」
「は! ご配慮、ありがとうございます。失礼します!」
(やった! 休暇だ!)
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「なあ? リグスビー少尉の中隊、こんなに優秀だったか?」
報告を聞き終えた上司は、副官に聞く。
「そこそこだったはずですが、リグスビー小隊だった者達が、そのまま組み込まれましたからねぇ。特にリグスビー少尉とウェイン曹長が、優秀だったのかと」
「だなぁ。まあ、これで殿下の侯爵領訪問も、問題無いだろう」
「はい、元々、殿下が、少人数で行きたいと言わなければ、掃除の必要も無かったんですがねぇ」
「殿下は大人数での移動を、何故か嫌うからなぁ」
「例のお忍び好きにも、困ったものですなぁ」
「全くだ」




