パトリックのグチ?
パトリック達は砦の周辺の調査を開始する。
主な調査は、地形の把握だ。
帝国との戦になった時、どう移動すれば良いかや、水のある場所などの把握が必要である。
地上での調査はミルコ達や部下に任せ、パトリックとソーナリスは空から全体的にチェックしていた。
もちろん、プーとペーが、どう翼を動かしているかのチェックも兼ねている。
「やはり翼まわりは、鎧は無理だな」
パトリックが言うと、
「そうね、着けられるのはお腹と、脚はスネから下ぐらいかなぁ。尻尾も方向変える時に使ってるみたいだし、首もけっこう動かしてるし、頭だけ何かカッコいい革鎧付けてあげようかな」
と答えたソーナリス。
「重くならないようにしないとダメだぞ」
「そうね、革鎧もそれなりに重いから、布を多用した方が良いのかな?」
などと話しながら地上を見ている2人。
「ん? なんだあそこ?」
パトリックが声を上げる。
「どうしたの?」
「なんか黄色い一帯がある」
「ほんとだ! 行ってみましょう」
「プー、黄色のほうに向かって」
パトリックが声をかけると、
ギャウ!
と鳴いてプーが高度を下げ出し、ペーもそれに続く。
「綺麗〜」
ソーナリスが声を上げた。
「うん、菜の花だな」
そこには一面に咲き誇る菜の花。
「菜の花って油とれるやつよね?」
「ああ、コレは良いの見つけたぞ」
「何に使うの?」
「ランプは勿論だが、火矢にも使えるし、唐揚げにも使える。」
「唐揚げ? 今は何の油で揚げてるの?」
「豚のラードだよ。だから少しコッテリしてるだろ? 菜種油なら、少しサッパリした唐揚げが作れるぞ!」
「あとはレモンがあればねぇ」
「レモン見かけないよなぁ。この世界には無いのかもなぁ。ミカンはあるのになぁ」
「まあ、とにかくお金になるのね」
「ああ、宰相のやつ、〈金はあるだろう? アボット辺境伯の方が新砦建設に金かかるから、そっちは自前で頼む〉とか、ふざけた事言いやがって。まあ、北の新砦建設に、ウチの領から人を派遣して仲介料をがっぽり取ってるがな」
「パットが儲け過ぎだから警戒されてるんじゃない?」
「儲けた分は、かなり使ってるんだけどなぁ」
「王都の屋敷と、領地の屋敷?」
「西の砦の改修費用まで俺が出してるんだぞ? おかしくないか?」
「今度王都に戻ったら、お父様に文句言っておくわ!」
ソーナリスが少し声を荒げた時、
ギャウ?
と、プーが鳴く。
「ん? プーどうした?」
ギャウギャウ
「あっちが気になる?」
ギャー
「いいよ、見に行ってみよう。ペー、ソナも行くよ〜」
そう言い、プーが気になると言う(?)方向に向かうのだった。




