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軍事行進3

さて、ウェインが先頭を行く2軍と8軍が、王都の東門をくぐり抜けた。


その場で最後尾のパトリックを待つ。

ウェインは後ろの方で、微かに何か悲鳴が聞こえるなぁとは思っていたが、まさか悲鳴の原因が上司とは思っていなかったようだ。


額に手を当てて、

「あんなに怖がられる中将って、過去に存在したのかなぁ」

と、呆れながら、パトリックが門を通過するのを見届けると、敬礼してパトリックを迎え、

「中将! 今後の動きの命令を!」

と、大きな声で指示を仰いだ。


「よし、では2軍と8軍で横に広がり魔物を殲滅といこうか。馬車隊は街道をゆっくり東に進め。他は森や草原で狩りだ。魔物を殲滅していくぞ! 狩った魔物は馬車隊に運べ。馬車隊は、運ばれてきた魔物を解体して使える分を馬車の中、使えないものは首落として埋めておけ」

と言って大声で、

「では出発!」

と、命令するのだった。


王都の近くは、王都軍が巡回しているので、たいした魔物は今のところ出てこない。ゴブリンなど、使い道の無い魔物や、オーク、オーガなどのありふれた魔物ばかりである。

ゴブリンやオーク程度では、もはや王国軍、特にウェインとパトリックにみっちり鍛えられている2軍と8軍の敵では無い。

オーガはやや強いのだが、それでも数人で連携して倒せるレベルなのだ。

数年前なら、怪我人が確実に出ていたであろう魔物だったのに。


隣の領地に入り、ようやく魔物の数が増してきた。

仕留める兵に運ぶ兵、皆が忙しそうに倒した魔物を、街道を進む馬車隊に届けると、待ち構えていた馬車隊の兵が解体にとりかかる。

街道の脇は、数人の若い兵が、せっせと魔物を埋める穴を掘っている。

首を落とされた魔物は、使える部位を取られてから、穴に落とされる。数匹落とすと、土をかけられて埋められる。


「中将っ!」

誰かがパトリックを呼ぶ。

「何かぁ?」

パトリックが大声で聞き返すと、

「ああ! そこでしたか! 意外と近くに居たんですね。馬車を数台王都に返していいでしょうか?既にいっぱいになりまして」

と報告される。

「よし、護衛に一個小隊を付ける。王都で荷を下ろしたら、すぐに戻ってこいよ。コルトンっ!お前の小隊で、馬車の護衛をしろ! 一旦王都まで戻り、荷を下ろしたら、馬車に乗って戻ってこい!」

そう言われた間抜け顔のコルトンは、

「了解しました〜! コルトン小隊、王都に戻るぞ!」

と、自分の小隊に声をかけた。


その日の夕方、食べられる魔物を調理して、夕食となった訳だが、8軍からのリクエストにより、テリヤキバーガーモドキを大量に作らされて、少し疲れたパトリックの姿があった。


約1300個のハンバーガー…

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― 新着の感想 ―
[一言] 最後に笑かしてくるのやめよう?
[一言] 飴と鞭のしかっかりした指揮官に率いられた兵は強いですね
[一言] 最後の一行の重み…
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