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王都は祝い事続きである。


今日は王城で第1王女クロージア殿下の婚約発表である。


相手はもちろんライアン・アボットである。


銀色のストレートヘアーに青い瞳、身長は157センチくらいはあろうか、少し気の弱そうな印象を受けるが美形である事は間違いない、第1王女殿下。


隣に居るライアンに声をかける様子は嬉しそうである。

そもそも、ライアンは王宮近衛騎士だった頃、クロージア殿下の護衛だったのだ。

護衛する側とされる側の恋。

よくある話ではある。

それはもう周りが察するくらいに、わかりやすい恋だったと言う。


ライアンは父に婚約を申し込んでくれと頼むが、周りとのバランスが崩れると申し込んで貰えなかったが。

なので2人はとても嬉しそうである。


さて、辺境伯となったアボット家に擦り寄りたい北の貴族も多いが、アボット家はそれどころではない。


北部山岳地域を領地とされたため、山岳地方に出かけては、集落の調査をし、一旦王国に降ると言った癖に、反抗的な態度の集落を武力の圧力と食料とで懐柔し、新たな北部砦となる砦の建設の為の調査を国と共同でし、山岳部族の男を兵として鍛え直さなければならない。


また、王国民として生活できるように、王国の法や習慣も教えなければならない。

まさにてんやわんや。


「ライアン殿、おめでとう!」


婚約パーティーでパトリックは少しやつれたライアンに祝いの言葉を贈るが、

「スネークス辺境伯閣下、頼みがあるのだが…」と、ライアンに言われる。


「もしかして兵の強化の事? かなり苦労してるらしいねぇ。閣下から聞いてるよ。まあ、将来の義兄のために協力しても良いけど、俺、あの地域では評判悪いと思うけど、その辺どうするつもり?」

と、先回りして聞き返す。


「そんなに酷い事をしたのか?」

とライアンが聞く。

「まだ聞いてない? 軍事情報だから流れてないのかな? 山岳部族、あ、今は北山岳民って呼ぶんだっけ? 奴らに聞けば1発で解るとは思うけど、まあ、簡単に言うと、反抗的な集落に忍び込んで、族長の首跳ねて晒して、8軍で囲んで降伏を迫る感じ? で、仕掛けてきたなら、徹底的に武力で判らせてあげたよ!」


「えっと…徹底的ってどれくらい?」


「成人男性皆殺し?」


「うわぁ…」


「どうする?」


「どうしよ…」


「まあ、行ってみて、俺がダメならうちの騎士にでもやらせようか? みっちり仕込んであるから、多分鍛えられるとは思うよ」


「お願いします。うちの兵では全く仕込めないので」


「うん、時間作れたら連絡入れて向かうよ」


なお、この日、王家とアボット家に、スネークス辺境伯領産の新たな酒が、祝いの品として贈られた。


芋焼酎である。



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― 新着の感想 ―
[一言] 芋焼酎でしたか・・
[一言] 芋はくさいが、飲みやすい らしい
[一言] 芋焼酎キター! まだ反抗してる山岳民族がいるのか。 あんだけ脅して殺したのにねぇ。 まだまだ地獄を見足りないのかね。
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