パトリックの考え
ワイリーやヴァンペルトの拝領した土地が、何故農業に向かないのか。
地形が悪いのと、圧倒的に土地が痩せているのだ。そこに無理やり麦を育てていたものだから、更に痩せてしまったのだ。
そこでパトリックの策とは?
「これは?」
ワイリーが小さな種を見てパトリックにたずねる。
「蕎麦の種だ」
「ソバ?」
「いわゆる雑穀と呼ばれるものだが、痩せた土地でもなんとか育つし、食べれるからいいぞ。食べ方は任せろ!」
「はぁ?」
「あとは、鶏を飼育しろ。養鶏だ!」
「お館様の指示ですから、やってみますけど、当面の資金や食料はどうすれば?」
「ウチから貸してやる。利子は無しでいい」
「ありがとうございます!」
「で、ヴァンペルトの土地だが、岩山が多いのでそもそも作付け出来る面積が少ないのだ。なので山羊を飼え! 山羊なら肉も食えるし乳からチーズも作れる。チーズは良いぞ! あとジャガイモやサツマイモを育てろ! 買い取って酒に変えるから!」
「酒は解りますが、山羊ですか?」
「ああ、あ、羊もやるか? 羊毛も金になるな!」
「はぁ、」
「ようは2人とも、農業が難しいなら、畜産をしろって事だ! 肉の方が金になるぞ! 餌は草だし、その辺に生えてる! まあ、草だけじゃなく他の物も食わせるけどな! ヴァンペルトの所も支援してやるからな! 畜産は逃げないようにするのと、ゴブリンとかから守るのが大変だが、それがクリア出来れば実入りが良い! いいか2人とも! まずは領地の経済を立て直せ! そして周りの貴族を経済で支配していくぞ。スネークス派無しでは領地を回せないようにしていくんだ。うちの酒! ワイリー、ヴァンペルトの所でも、名物を作ってやる。それを売り込むぞ! そして西をスネークス派に塗り替えるぞ! うちの派閥に歯向かう貴族は潰していくぞ!」
「「ええ⁉︎」」