表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
171/316

森で3

皆が寝静まった頃、パトリックは動き出す。


漆黒の闇の中、パトリックの目にハッキリ映る焚火。待ち伏せに出ていた毒蛇部隊達と合流し、経過報告を聞いてから、砦に帰るように言う。

「テリヤキバーガーモドキ作って置いてきたから、帰って食えよ」

「やった! あれ、冷えててもうちのカカァのとは、雲泥の差だからな!」

「おい、声がデカイぞ」

「おっと、すまん」

「じゃあお館様、戻ります!」

「気をつけてな」


兵が帰るとパトリックは、


「サイレント」


と、小さく呟く。

まるで街中を歩くように敵兵の間を抜けて歩く。


パトリックの右手にはバケツが一つ。

なみなみと入った水に焚火が映るが、そのバケツの水を、パトリックは焚火にかける。


ジューッと音を立てて焚火が消える。


まさに暗闇。

漆黒の世界。


だが、パトリックの目には、周りの人が見える。

いや、周りの人の温度が見える。


喚く兵士達を1人、また1人と切り捨てていく。

淡々と、冷静に喉を切る。

生き残る事がないように、だが、苦しく後悔しながら死ぬように。


誰を相手に喧嘩を売ったのか。

誰の命を狙ったのか。


その場の兵士を全員切った後、パトリックは呟く。


「あの世で本物の死神に聞いてこい。パトリックは死神だったのか? とな」


その後戻ってぐっすり寝たパトリックは、陽が上ると同時に朝食を配る。

内臓のスープとパンだ。


そして、


「よし、では、これより作戦を伝える。毒蛇部隊は闇蛇隊と協力、と言うか、毒蛇部隊の隠密術を闇蛇隊に実戦で教えてこい。そして闇蛇隊はそれを吸収し、偵察でヘマした時、森に逃げて隠密術を使えば生還率が上がるはずだ。いいか、毒蛇も闇蛇もスネークス家の仲間である。互いに協力し、信頼して作戦にあたること! そして各騎士達は、その模範となる事! アインもエルビスに教えて貰ってこい。

ワイリー、ヴァンペルト、ミルコは8軍で習った事と同じだが、唯一違うのは、毒の使い方だ、エルビスに付いて行ってこい」

「それではお館様の護衛は?」

「ライアン殿に頼むよ」

すかさずライアンが、「承った」と声を出す。


「よし、行動開始!」

皆が動き出す中、パトリックはライアンの質問に答えていた。


「毒とは?」


「ぴーちゃんの毒さ」


「毒の種類は?」


「神経毒ってやつ」


「どんな症状がでる?」


「んーと、簡単に言うと筋肉が動かなくなって、呼吸困難になるか、心臓が止まるかかな」


「人の場合、どれくらいの量で死ぬ?」


「針に塗って刺せば、数分後には」


「猛毒ではないか!」


「そだよ」


「いつ、誰に検証したのだ?」


「屋敷に忍び込んできた盗賊相手に」


「その死体は?」


「ぴーちゃんの腹の中」


「兵が間違って使用したらどうするのだ⁉︎」


「管理はエルビスが厳重にしてるよ」


「戦闘中に毒針に触れたらどうするのだ?」


「そうならないように、楽な戦いで使って慣れさせようかと」


「実戦練習か…」


「喧嘩を売る相手が悪かったよね、アハハ」


「この状況で、キャンプして楽しんで笑ってられるそなたの心臓、魔道具か何かか?」


「違うと思うけど、確かめた事ないからなぁ」


「はぁ、相手が可哀想になってきた」


「ええ⁉︎ 酷くない?」


「そう思うなら少しは不安な顔でもしてみたらどうだ?」


「不安な顔って、不安でもなんでもないんだから、できる訳無いしなぁ」


「やはり相手が、可哀想だ…」

ライアンが吐き捨てるように言った。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] 暗殺者あるいはプレデター量産開始! キャンプだホイと同時進行で
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ