表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
158/316

ライアン登場

私の名は、ライアン。

ライアン・アボット。


アボット伯爵家の長男である。

自己紹介させて貰うと、年齢は25歳、身長180センチで銀色の長めの髪の毛と緑の眼だ。自分では程良く鍛えた肉体だと思っている。

数年前までは、国軍の近衛騎士団に所属していたが、今は領地にて運営の勉強中である。


そんな私に父からの手紙が届いた。

会わせたい貴族がいるようで、王都に来るよう書かれていた。

父が他家と距離を取っているのを知っている私は、その手紙を見て驚いた。


我が家は独自の情報収集をし、派閥に関係無く、適度な距離感で貴族を客観的に観察、それを精査し国王陛下に報告するという、独自のスタイルをとってきた。

それが他家と会わせたい?

確かに調査するにはそれなりの顔繋ぎも必要だし、ある程度は理解出来るが、わざわざ王都に呼び寄せてまで会わせたい?

父は何を考えている?



〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


「父上、到着致しました」

執務室にいる父に、到着の挨拶をすると、

「ライアン、最近の王都や王国の状況は把握しているな?」

と、聞かれたので、

「報告された事であるなら、頭に入ってます。直近の事はまだ報告されてないかもしれませんが」

と答える。

「では、情報のすり合わせをしておくか」

そう言う父との話に数時間。


スネークス伯爵家。

ここ最近、やたら聞く家名である。


元リグスビー男爵家の三男で、第1軍に所属していた頃より、武名を挙げだす。

帝国の侵攻に合わせたウェスティン家の裏切りに、自分から実家が裏切っていると軍に報告。


監察官付きになるも、任務を全うし、親すら斬って反乱軍と帝国との戦闘の勝利に貢献。

その武功により、リグスビー男爵家の取り潰しを利用した陛下の采配により、スネークス子爵家を拝命。


その後も度々活躍し、現在は伯爵で中佐。

ソーナリス王女殿下と婚約中。

おそらく、近々のうちに更なる出世の報告が届くと予想している。


その当主であるパトリック・フォン・スネークスと顔合わせすると言う。

しかも、スネークス伯爵家と同盟を組んだと聞かされた。

スネークス家は王女殿下と婚約中なので、王家派で間違いないからそう問題は無いが、適度な距離感はどうなったのだろう?


明日の朝にスネークス伯爵家の王都の屋敷に向かうという。

何故そう急ぐのだろう?



翌日、馬車に揺られて20分程、スネークス家に到着する。

門番の男、かなりの腕前と見る。

目の動き、鋭い眼光、僅かな動きでも解る身のこなし。スネークス領軍は精鋭揃いとの報告通りか。


玄関に到着する。

スネークス家の扉は地獄への扉と噂があるらしい。

その話を父にもしたが、

「予備知識無しで、見て、聞いて、感じろ!」

と言われた。


門番が扉を開けてくれた。


咄嗟に数メートル後ろに飛んで、腰の剣を抜き、

「父上! お下がりを! その魔物父上では無理です。私が時間を稼ぎますゆえ、国軍の応援を! この分ではスネークス伯爵はすでに……」


「うむ、合格だ!」


「父上?」


「この魔物は、スネークス伯爵の使役獣だ、伯爵は魔物使いでな」


信じられなかった。魔物使いはかなり少ないし、使役出来るのは哺乳類系だけだと聞いていた。それが爬虫類系魔物を使役? 

しかもあの大きさの魔物を⁉︎


「叫び声をあげなかったし、咄嗟に行動もした。この情報は私の方で握り潰したので、領地の方には届いていないはずだが、聞いてないよな?」


「は、はい父上。何故わざわざ情報を絞られたのです?」


「この家の異常性をその目で確かめて欲しかったからだ!」


いや父上よ、そんなドッキリ要りませんから!

少し寿命が減った気がする。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] これってただ単に自分と同じ仲間(被害者)が増えてほしいだけじゃ…?
[良い点] 人の家の玄関でdisるのは草
[一言] スネークス家の異常性て…… そんなとこでディスっていると、いつの間にか後ろにぴーちゃんが……?
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ