騎士爵
スネークス伯爵家
今王国で1番話題の貴族である。
そのスネークス伯爵家の王都の屋敷にて、認定式が行われていた。
スネークス家の騎士爵の認定である。
王家へと騎士爵申請されるのは、
王国軍第8軍走竜隊隊長、ジョン・ヴァンペルト大尉。(実家は男爵家)
王国軍第8軍馬隊隊長、ジャック・ワイリー大尉。(実家は子爵家)
王国軍第8軍スネークス中佐付き副官、ミルコ少尉。(平民出の為家名無し、パトリックの一存で副官に任命時に少尉に。)
スネークス領軍毒蛇隊隊長、エルビス(平民出の為家名無し)
スネークス家闇蛇隊隊長、アイン(平民出の為家名無し)
この5名にはスネークス家の家紋の入った短剣が授与された。
アボット伯爵領産の素晴らしい短剣だった。
スネークスの騎士としての証である。
その後、5人を引き連れ王城に向かい、貴族申請と騎士税を支払い、5人が騎士爵認定される。
その場で、5人は書類に必要事項を書き込んでいく。
5人の顔色は少し赤い。
緊張と興奮と、少しの不安。
それが顔に出ているのだろう。
なお、騎士爵や準男爵に家紋の申請の必要は無い。
領地が無い為、領地の税の書類など無いからである。
一通りの申請が終わり、王都のスネークスの屋敷に戻ると、
「よし、これから君たちは、スネークス家の騎士となった。我が家と君達の繁栄の為に、より一層の精進するように。更なる手柄をたてて男爵を目指すのも良いだろう。だが焦って失敗などということのないように。死ねば終わりだ。攻め時を間違えるなよ!」
パトリックの声に皆が真剣な眼差しを送る。
「とりあえずこれから5人の騎士爵誕生の宴会だ。身内での会だから、楽しんで飲もう! では皆グラスを」
広間に設置されたパーティー会場には、8軍の兵やスネークス領軍達も来ており、乾杯の合図を待っていた。
「では、5人の新たなる騎士爵に!」
パトリックが杯を掲げて宣言すると、
「「「「「「「「乾杯!!!!!」」」」」」」」
酒宴は楽しく催された。
スネークス家は酒が豊富な家柄である為、泥酔する者多数。泥酔者は会場から出されて、食堂で介抱されていたのだが、まだまだ飲むんだと会場に戻ろうとする者も多い。
よって部屋の扉を間違える者もでる。
玄関ホールから悲鳴が聞こえる。
これもまた、スネークス家の名物だろう。