表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
148/316

動乱の時10〜折れる〜

動乱の時7.8を少し改稿してます。

その場にいる人をパトリックが認識していた描写を追加してます。

崩れ落ちる騎士団長に、ワイリーとヴァンペルトは、槍を捻りながら押し込み、抵抗できないようにする。


「勝負有りだな、ヘンリー! 観念しろ。今すぐ降参すれば生かして置いてやる」


と言った王の言葉に、


「おい! お前達、突撃しろ!」

と、返事をせずに振り返って、反乱兵に命令するヘンリー。


「ですが、騎士団長を倒すような猛者に我らでは…」

兵が答えるが、

「私が逃げる時間を稼げれば良いのだ! いいから行けっ!」

と、言い放つが、


「ぶふぉっ!」

と、息を漏らしヘンリーが吹っ飛ぶ。


「逃すと思ったか?」

その声は、先程までヘンリーが立っていた場所から聞こえた。

パトリックである。


腹を押さえて転げ回るヘンリー。



「え⁉︎ 今、何故ヘンリーが吹っ飛んだ?」

と、小さく呟いた王に、

「パトリック様がヘンリーお兄様のお腹に、ドロッ、いえ、跳び蹴りされました」

と、ソーナリスが言う。


「み、見えたのか? パトリックが移動したのも?」

ウィリアム王太子の問いに、


「はい! 妻ですから!」

と、鼻息荒く宣うソーナリス。


「いや、まだ婚約者…」

と、王が呟く。




「さて、反乱者共を取り押さえろ! 王候貴族は殺すなよ。他は歯向かえば殺しても構わん!」

パトリックは8軍に命令し、ヘンリーに近づく。


「でだ、ヘンリー殿下、陛下のお言葉を無視した訳だが、生きるつもりが無いということでよろしいかな?」

ようやく転げ回るのをやめたヘンリーを見下ろしながら、一応口調を正して聞いた。


「な、何を無礼な! 貴様の様な伯爵如きが誰に向かって口を聞いておる! 生きるつもりがないかだと? 私はまだ負けておらん! 今から皆殺しにウギャーッ!」


話の途中でパトリックに、腹を踏み付けられたヘンリーが騒ぐ。


「何がまだ負けて無いだ。聞いて呆れるとはこの事だ! 陛下の許可さえあれば、今すぐ首を刎ねれるのだがな。だいたいこの程度の手勢でよく叛乱しようと思ったな。頭悪過ぎる!」

パトリックの言葉に、


「煩い! 貴様さえ来なければ上手くいっていたのだ! 城と王都を押さえれば、なんとでもなる! だいたいあの兄より優れている私を、王太子にしなかった父上が悪いのだ! あと少しで皆殺しにして国王になれたものを!」

ヘンリーがパトリックに言い放つ。


が、パトリックの額がピクリと動いた。


その瞬間、パトリックから溢れる殺気に謁見の間は、支配された。


誰も声を出せず、ヘンリーの母親や妹はその場に倒れる。


叛乱兵達も腰を抜かしたり、漏らしたり。


パトリックを良く知る8軍ですら、少し震えた。


そして一番近くに居るヘンリーは、泡を吐いて気絶した。


が、そのヘンリーの腹を蹴り上げて、目を覚まさせると、


「2度も皆殺しと言ったな。


“ボコッ”


そこには大恩ある陛下や、我が妻となるソーナリスも含まれているのだろ? 


“バシッ”


そして、結婚したら我が義兄となるウィリアム王太子殿下や、その妻のエリザベス妃も。


“ゴキッ”


ウィリアム殿下より優れている? 何が? どこが? 自分の欲望だけで動くカスがふざけた事を抜かすな!


“グリグリッ”


私はな、身内を狙われるのは大嫌いでな。


“グキッ”


今すぐこの場で殺したいが、陛下の許可が無いので、この程度で我慢しているのだが、どうだ?


“プスッ”


痛いか? そりゃそうだろう。痛みが大きくなるようにしてるんだから。


“ぐりぐり”


 死にたくなってきたか?


“ペリッ”


 殺して欲しいか?


“メリメリッ”


死ねば楽になれるぞ? 」


冷静な言葉使いなのだが、これは、とある作業をしながらの言葉であった。


なお、この作業を見て倒れる者続出、漏らす者多数。


誰も言葉を発せないから、止める者が居ない。


ヘンリーの全身は出血こそ少ないが、満身創痍。

ポーションでギリギリ治るのかどうか。


ヘンリーの悲鳴だけが、その部屋で響く声。


“パキンッ”


ヘンリーの体から何かが折れる音、それは声にかき消され、皆に聞こえる事はない。


そして、その音と共に、ヘンリーの心も折られた。



パトリックによって。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] 目の前でそれをやるのは幼稚というか。うーん。 ブクマ外します。これからも頑張ってくださいね。
[一言] なんか色々感想あったけど、作者様のさて。なんのことやら?でソーナリス殿下が全部持って行きました。
[一言] いいぞ、パトリック。もっとやれ。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ