軍服
パトリックは、ソーナリスと面会する。
最初は普通に会話していたのだが、今はマネキンの様になっている。
ソーナリスは、鎧のデザインに悩んでいるらしく、その前に軍服を作ったらしいのだ。
軍服は、普通は軍からの支給品である。
が、一部貴族の者や士官などは、オーダーメイドで作る。
理由は、布の質が悪いや、デザインが私には合わんなどのわがままなのだが。
なので、軍としては、要所を押さえていれば、着用して良いとしたのだ。
決まりとしては、支給品のデザインと似ている事。色が部隊と同じである事。襟章や腕章等を着ける位置。などなど。
パトリックは服に拘りなどあるはずもなく、今まで支給品を着ていた。
それがソーナリスには、大いに不満であったらしい。
で、鎧の前にちょいちょいと作ったとの事。
ちょいちょいで作れる物なのか??
生地は上等なので良いのだが、襟が少し高くて前を閉める事が出来ない。
これはそういう仕様らしい。
各部に銀細工が取り付けられている。図柄はぴーちゃんの頭。
ロングコートかと思う程の裾の長さ。
外側の色は8軍の黒なのだが、裏地が真っ赤だ。
そこに緑でぴーちゃんの刺繍。
正直突っ込みどころ満載である。
が、
「赤い死神と言われるパトリック様にピッタリです‼︎」
鼻息荒いソーナリスに、パトリックは拒否するわけにもいかず、
「ありがとうございます。今日からこれを着て任務に従事致します」
と、答えたのだった。
なお、着ていた軍服は、ソーナリスが大事そうに抱えていたので、そのまま渡す事にした。