表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
127/316

交戦か降伏か

伝令が北の砦に帰ってきた。大量の食料と共に。


「陛下よりの命令書だ。山岳地域を制圧し、王国に取り込めとの御命令である」

中将は、命令書を読み宣言し、命令書を少将とパトリックに見せた。


「で、どう動きます? 7軍はとりあえず砦にて、休養と後方支援ですかね?」

パトリックが聞く。


「うむ、そうだな。疲弊の少ない3軍で、山岳地域の集落に食料を持ち込み、交渉しよう。8軍は、どうする?」


「では、うちは反抗的な集落を落とす事にしましょうか。3軍の交渉に応じ無かった集落はお任せを。最初は一緒に動きます」


「良いのか? 汚れ仕事だぞ?」


「うちは、後方撹乱、【暗殺】が任務ですよ?」


「いやしかしだな。兵は納得するか?」


「兵士は、上の命令を遂行するのが任務です」


「たしかにそうだが」


「まあ、いざとなれば私だけでもやれますよ」


「それはそれで問題だが…」


「戦争ですよ? 向こうが侵略してきたんです。負けてれば、こちらが同じ事をされてるはずです。問題無いです」



〜〜〜〜〜〜〜



王国軍の山岳地域制圧は粛々と進められた。

食料を見せられ、王国に併合されれば飢えから解放すると交渉すると、多くの集落は簡単に落ちた。それほど飢えていたのだ。

だが、抵抗する集落も少なく無かった。

3軍は、抵抗した集落には、手を出さずに去っていく。もちろん正面切って戦いを挑んできた集落は、武器を持つ者は容赦無く斬り捨てた。


〜〜〜〜〜〜〜〜


拒否したが戦いに発展しなかった集落は、今後の予定を検討していた。


「奴らの食料を奪う事は出来んのか?」


「他の集落で、王国に靡いた所に運ぶ荷物を奪うと言うのはどうだ?」


「それで上手くいくか?」


「地の理はこちらにある。細道や崖などの襲うに最適な場所で張り込もう!」

男達が相談している。


「族長? さっきから黙ってて、どうしたんです?」

1人の男が、発言しない族長を不審に思い、首を族長の方に向けた。


そこに有ったのは、数分前まで族長であったものの成れの果て。

首から上が無い死体であった。


「ひぃいいっ!」

「うわあああ!」

悲鳴を上げた男達に、

(これくらいで悲鳴とはな)とパトリックは思う。


「お、おいっ! とりあえず逃げるぞっ!」

男が言ったが、


「うっ」

「あがっ」


呻き声と同時に、どさりと2つの首が落ちる。


「おい、終わったぞ〜」

パトリックの声に応えるかのように、家のドアが開く。

「中佐、お見事です。この首、どうします?」

床に落ちた3つの首を見ながら、ミルコが聞く。


「集落の目立つ所にでも晒すかな。怯えさせた後に、8軍で囲んで交渉再開といこうや」


「了解です。で、私が晒しに行くので?私だと見つかりそうなのですが?」


「何のために隠れる訓練してるんだ! 見つかったら走ってここまで逃げてこい。ここいらの奴らから逃げれないようなら、戻ったときに再特訓だ!」


「いや、逃げれなかったら戻れないでしょうに」

「いいから、行けっ!」


「了解です」

首3つを布にくるんでミルコが家を出ていく。


戻ってきたミルコと共に集落を出る。


翌日、8軍と共に集落を囲むパトリック


「今から1時間後までに、降伏か交戦か選べ!

降伏なら、昨日の3人の首だけで許すが、交戦なら男は覚悟しとけよ!」


パトリックの指示により、声だけはデカイと有名なデイブ一等兵の叫び声が響く。


1時間後、白旗らしき物を持って、村の男達が現れるのだった。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ