北部侵攻
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北方面軍
北の山岳地帯に住んでいる部族の侵攻を、食止めるために展開されている軍である。
少人数での攻撃は月に何度かあり、その度に追い払っているのが現状である。
それがもう2ヶ月も無い。
ようやく諦めたか?などと誰かが思った頃。
砦の物見台に居た監視兵が、蠢く集団を見つける。
兵は慌て、備え付けられている鐘を鳴らす。
「敵襲! 敵襲!」
と、叫びながら。
カンッカンッカンッ!
と鳴る鐘の音に、砦の兵達は動き出す。
弓兵は、砦の壁の上に配置し、騎兵は鎧を着込み、歩兵は槍を手に、門の前に集まる。
物見台の上に登って来たフィッシャー少将は、敵の数を見て驚いた。
今までと数が違い過ぎて。
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「スネークス中佐。陛下より呼び出しだ」
サイモン中将に呼ばれたパトリック。
呼ばれた先には、元帥陛下の他に、1軍から3軍までの将と宰相、外務省の官僚が居た。
「全員揃ったな。ではこれより会議を始める。議題は、北部部族の大侵攻に、どう対応するかだ!」
「北方面軍の状況は?」
「伝令によると、敵の数はおよそ1万。北部の二千と、北部方面の貴族領軍をかき集めた二千。合計四千で砦を死守しているところらしい」
「援軍が必要ですな。今回はどの軍を?」
「3軍と8軍を、考えているがどうか?」
「3軍行けます!」
パトリックも、
「8軍行けます!」
「よし、宰相。食料などの手配を!」
「はっ!」
「外務大臣! 他国の動向は?」
「はい、プラム王国は我が国との、友好条約のため問題無し。帝国は不可侵条約中のために、我が国への侵攻は無いでしょうが、破棄の可能性もあり、西部方面軍は動かせません。また、帝国に侵入している、間者からの情報では、帝国より食料が大量に輸出されている模様。おそらく北に援助しているのでしょう」
「かわりに鉄も輸入しているであろうな」
「おそらく」
「よし、一応西を警戒して、南から5百を西へ、もう5百を手薄になる王都の警備に。3軍と8軍は、総員でもって北部方面軍の、援軍に迎え! 以上だ。急げよ!」
全員が席を立ち、
「「「「「御意!」」」」」
翌日、3軍と8軍は王都を出発した。