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貴族街にて2

貴族街を歩く一行は、とある家の前で止まる。


その家の門番が、

「我がスタイン家に何用かっ! 用がないなら、さっさと立ち去れっ!」


と、偉そうに言うのを、冷めた目で見るパトリックが、

「私は、パトリック・フォン・スネークス伯爵である。スタイン男爵家の使用人が、スネークス領にて怪我をされたのでお連れした。当主に引き渡したい」

と、ニヤニヤ笑いながら、1人の男を門番の前に突き出す。


もちろん縄で巻かれたままだ。


門番は、男の顔を見て、顔面が真っ青である。


どうやら顔見知りのようだ。

それどころか任務も知っていたのかもしれない。


「この様な男は知らんが、一応、男爵様に確認してくるので、暫し待て」

とりあえず自分の責任では、事に当れないと踏んだようだ。

屋敷に向けて走っていく時に、転ばなければ合格点だったのになぁ。慌て過ぎである。


戻ってきた門番は、

「男爵様も、知らんと仰せだ。早々に立ち去れ」

と言った。


まあ、想定内である。


認める訳が無い。

「そうか、ならば鉱山にでも売ることにする。邪魔したな」

そう言うパトリックは、次の家に向かう。


知らんと言われた男は、門番の方を恨めしげに見ていたが、取り乱さないだけ優秀だった。


なにせ次の家では、間者が門の前で、

「俺だよ、助けてくれよ。鉱山に行きたくない‼︎」

などと騒ぐのでうるさかった。

もちろん知らない男だと言われ、無視されたのだが。


まあ、この男は、爪の間に針入れられただけでゲロった、ヘタレだったが。


その日だけでは全ての家を回る事はできず、3日かかったのだが、間者を受け入れた家が1つあったのは驚いた。

その家は、パトリックを屋敷内に招き、当主自ら正式に謝罪し、間者の身代金を払うと約束した。

パトリックはその当主を気に入り、身代金は要らないので、今後、懇意になりませんか?と、引き入れ工作をした。


北方のアボット伯爵家、別名、北の鉄狐。

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