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貴族街にて1

パトリックは早速領地に戻った時に、動き出す。


酒の醸造所、蒸溜所、保管所。

全てに領軍が警備をしているのだが、少し離れた物陰に、居るわ居るわ、こそこそ様子を窺う男達が。

敷地の外なら問題ないが、しっかり塀を越えていたのだから、問題有りだ。


背後から近づいて、脇腹を思いっきり殴る。

蹲って苦しがる男の腹に蹴りをくれ、仰向けにしてからの、顔面に膝落とし。


だいたいこれで戦意喪失し、素直にお縄となる。


領軍に引き渡して、牢屋に詰め込み、また次の間者の相手をしていく。


王都に戻る日、牢屋には、137人の間者が詰め込まれていた。

もちろん全てパトリックによる尋問済みである。

尋問された間者の顔は、少しやつれている。

食事が喉を通らなかったのか、単にパトリックに怯えているのか。


パトリックは、領軍の護衛付き荷馬車に、詰め込まれた間者達を連れて、王都に向かう。


王都の少し手前で、パトリックは一行を止め、一人一人縄で縛り、それを縄で繋いでいった。


先頭をパトリックが馬で、その後ろに領軍に挟まれるかっこうで、間者達。

王都の門前に到着すると、今日の警備担当の門番が、パトリックの前で、敬礼する。


「パトリック中佐、この者達は?」

と、尋ねられると、

「うちの領に居た飼いネズミ達だ、飼い主に引き取って貰おうと思ってな」

と、冷淡な笑顔で答えた。


その顔を見た兵は、思わず腰を抜かしそうになったが、なんとか耐えた。


「死神の笑顔、怖ぇぇぇ」


と、小声で言ったが、

「聞こえてるぞ、3軍のジェイジェイ兵長。次の訓練が楽しみだなぁ!」

と、パトリックに言われた。


「ひぃいいっ! ご勘弁を、許して! お願いします!」

土下座して謝るジェイジェイ兵長に、

「さあなぁ」

と言って、門を通り去るパトリック。

「俺、死んだかも。てか、俺なんかの名前まで覚えてるのか」

真っ青な顔でため息を吐きながら、ジェイジェイ兵長が、諦めの顔をしていた。


一行は大通りを歩く。見せしめの為にゆっくりと。

平民達は、なんだなんだと見物している。

その中に、おそらくどこかの間者であろう者が、仲間の顔を見つけては、血相を変え、どこかに走り出す。


一行は、貴族の屋敷が立ち並ぶ、通称貴族街に向かった。




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― 新着の感想 ―
[良い点] 想定される世界観にできるだけ沿った、描写がある。 [気になる点] 主人公がほんとに鬼畜な点。 例えば、酒造の知識は自分のオリジナルではないのに、特許とって、探りに来た人を拷問して独占? ど…
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