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発表

さて、男爵達の挨拶が終わり、皆が一息ついた頃。


「諸君、今日は我が息子の為に集まってくれて感謝する。大勢の祝いに、息子夫婦も喜んでおる」

陛下の言葉に、皆が耳を傾ける。


「でだ、この場を借りて新たな発表がある」

その言葉に、ザワザワしだす。


「なんだ? 戦か?」

「祝いの席でそんな事言う訳ないだろ」

と、憶測が飛ぶ。

「ソーナリス、こっちに来なさい」

「はい、お父様」

陛下に呼ばれたソーナリス殿下が、王の脇に立つ。


「この度の王太子結婚に続いて、このソーナリスの婚約を発表する!」

「「「おおっ!」」」

会場が騒然とする中、


え? マジで? 今?


と、心の中で突っ込むパトリック。


「相手は、今日この場に来ている」


(また、勿体ぶって)と思うパトリック


「パトリック・フォン・スネークス伯爵だ! パトリック、こちらに来い」


「なにっ!」やら、「おおっ!」やら、「なんで?」や、「何故だ⁉︎」と、声が上がる。

否定的な声が多いのは仕方ないだろう。


呼ばれたからには行かないといけない。

「はっ!」

と、短く声を出して、歩き始める。


ソーナリス殿下の横に立つパトリック。

会場を一段上から見下ろすと、人の顔がよく見える。

苦虫を噛み潰した様な顔が多い中、笑顔のデコースを見つける。

そして、サイモン中将の横に次代として来ていたウェインも笑顔だ。


ウェインの顔を久しぶりに見たが、なんかイケメン度が上がってて、ちょっとムカついた。


「パトリック、皆に挨拶を」

促されたので、

「パトリック・フォン・スネークスです。この度、ソーナリス殿下と婚約となりました」

と、簡素に挨拶して、会釈する。


「ソナ、お前も挨拶なさい」

「ソーナリスです。私が望んだ方と婚約出来て嬉しく思います」


と、こちらも簡素な挨拶である。

自分が選んだアピールを忘れないところが、シッカリしている。


デコースが拍手した。それに釣られて皆が拍手する。まあ、嫌々拍手している者の方が多いのだろうが。

ふと陛下の方を見ると、ニヤリと笑っていた。

イタズラが成功したような笑みだ。


ソーナリスの方を見ると、ニコニコと嬉しそうだ。

知っていたから後ほどと言ったのだろう。

「ソーナリスは、まだ13歳なので、結婚式は15歳の誕生日に行うことにする。1年ちょっと後だ」

結婚式の日程まで決まった。


その後の嫉妬の目は、華麗にスルーし、披露パーティーは終わった。

馬車での帰りの道中、今後の予定に頭を悩ませる。


「さて、どう動いていくかだな。誰が敵になるか見極めないとな」

新参者が王家と婚約。かなりの確率で、足を引っ張る家が出てくるだろうことは、想像に難くない。


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