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王太子結婚式

1ヶ月後、王都はお祝いムード一色。


ウィリアム王太子と、エリザベス王太子妃の結婚式は、教会で盛大に行われ、王城では披露パーティーが開かれていた。

中央で踊る主役2人、銀色の長髪をなびかせ、細身の長身ウィリアム王太子の緑の眼が見つめる先に居るのは、金色のフワフワした長い髪をゆらすエリザベス王太子妃。緑の瞳で見つめ返す。


主役2人が踊り終わると、貴族達が挨拶する流れになる。

パトリックは、一応アクティブモード。

本日の主役2人に挨拶する為、列に並んでいた。

挨拶順は、爵位が上の者からであるので、伯爵のパトリックは、まあまあ早い方である。


後ろの子爵あたりから、

「新参者の癖に」とか、「元金貸しの落ちぶれた家の出の癖に」だとか、聞こえるように言っているが、パトリックは気にしない。


悪口は、勝者に向けられる税のような物だと、割り切っている。


順番が来て、主役2人に挨拶し、隣に居る王と王妃にも挨拶、そしてディクソン侯爵と、侯爵夫人にも挨拶する。

王太子と、王妃は初対面だが、笑顔で応じてくれた。


挨拶が終わり、ワインで喉を潤していると、

「パトリック殿、お久しぶりです」

と、声がかかる。


「おお、カイル殿。その後どうですか?」

「はい、主犯格は全て拘束しました。いやぁ、結婚式までに解決できて良かったです。パトリック殿のおかげですよ」


「いえいえ、私は少しお手伝いしただけですので。カイル殿の調査があってこそでしょう」

と、お互いを称賛しあう。


「ところでご挨拶に向かわなくて良いのですか?」

「うちは、男爵家なので、まだまだ後ですよ。今は子爵家のあたりでしょう? 子爵や男爵は、多いのでね。ゆっくり行きますよ」

と、笑っていた。


確かに、今の王国には、公爵4家、侯爵8家、伯爵がパトリックのスネークス家を入れて20家だが、子爵から下は、桁が変わる。

子爵は確か123家、男爵が258家。

そりゃパトリックが妬まれるのも納得である。


しかも現在18歳の若造が初代であるのだから。


なお、準男爵や騎士爵は、合わせると千を超える。

さすがに男爵より下は、呼ばれていないが。


呼ばれている貴族も、当主と妻、家を継ぐ次代まで。ということは、カイルは次代なのだろう。

そろそろ行ってきますよと、カイルが去る。

そこに、

「スネークス伯爵!」

と、声をかけてくる、知った声が。

「デコース兄! 久しぶり。伯父上は?」

「父上は、近衛なので警備隊の指揮をしているよ。替わりに私が挨拶にいくのだが、まだまだ列が長くてな」

と、笑う。


「暫くこちらに滞在するので?」

と聞くと、

「ああ、十日ほど滞在する予定だ。一緒に飯でも食うか? うちに来るか?」

と言われたので、

「いや、うちに招待するよ。ウイスキーとブランデー出すよ!」

「おお! 今流行りの新しい酒だな! ウイスキーはカナーン領にも流れてきて飲んだが、良いなアレ! ブランデーとやらはまだ飲んでないから、是非!」

と、約束して別れる。


「パトリック様、ご機嫌よう」


と、ひらひらの服を着た女性の声が。

「これはソーナリス殿下。ご機嫌麗しく」


実は昨日、式典用の服を渡されたので会っているのだが、ここは周りの目もあるし、婚約はまだ発表されていないので、このような対応である。


「似合ってます」

と、小声で言われたので、

「ありがとうございます」

と、小声で返す。


黒を基調とし、緑のストライプが所々に入り、左胸のポケットには、スネークス家の家紋。背中のお尻くらいまであるマントにも、家紋が入っている。

マント。これ1つにも決まりがある。

王は床に引きずるくらいの長さ。

公爵は足首くらいの長さ。

侯爵は、膝裏。

伯爵は前述のとおり。

子爵は腰まで、男爵は肩甲骨の下くらい。

これも当主のみである。(王族は、王でなくとも公爵と同じ長さのマント着用)

8軍の黒と、スネークス領軍の緑をアレンジしたらしい。

「ではまた後ほど」

と、ソーナリスが去っていく。




ん? 後ほど?






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