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特別任務4

老婆の後ろを歩き、屋敷を出る。


老婆の持つランプが小道を照らし、ゆっくり歩く老婆の背中を見ながら、先程の悪夢のような光景を必死に頭から追い出そうとするパトリック。


やがて、一軒の家に到着する。

老婆は鍵を出して扉を開け、家の中に入る。パトリックも続く。

老婆は、炊事場の奥にある釜の中に、懐から出した書類を入れた。

その後、簡素な食事をし、寝床に入ったと思うと、ロウソクを消して、大きなイビキをかきながら寝た。


パトリックは、ロウソクが消えて真っ暗な家の中で、驚いていた。

明かり1つないのに、家の中が見えるのだ。

前世の記憶のあるパトリックには、この見え方に心当たりがある。


(温度センサー? いや、サーモグラフィーか?)

昔テレビで観たような映像を、自分が見ている。

(この腕輪か? 魔道具だったのか!)


実際、ただの腕輪だったのだが、どこかの神様の仕業であろう。


パトリックは簡単に釜に近づき、書類を手に取る。

(やはり裏帳簿か、証拠はこれで良いな。任務完了だ)





翌日、パトリックはカイルと連絡を取り、書類を渡す。

「パトリック殿! 助かりました。これで充分立件できます!」


「ちょっと精神的に疲れたので、私は帰ります。書類を隠してた老婆の住所は、こちらの紙に記しておきましたので、使うならどうぞ」


別の紙をカイルに手渡し、フラフラと足元がおぼつかない感じで帰るパトリックに、

そんなに大変だったのかと思ったカイルは、


「有り難うございました‼︎」


と、深々と頭を下げたのであった。



パトリックは悪夢を頭から、いまだに追い出せて無かった。




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