特別任務3
老婆の後ろを歩くパトリック。
大きな扉をノックする老婆。
「入ってくれ」
中から声がした。
ガチャリと扉を開けると、中から50歳くらいの男が飛びかかるように、老婆に抱き着いた。
えっ?と思うパトリック。
「ああ、待ってたよレイチェル!」
レイチェルとは、この老婆の名前か?
「坊ちゃん、中に入ってからの約束でしょう? 誰かに見られては事です。早く入りましょう」
そう言って抱きつかれたままの老婆が、部屋の中に入る。扉が閉まる前に、慌ててパトリックも入る。
そこで衝撃の光景を見ることになる。
「レイチェル! ああ! レイチェル!」
と言いながら、良い歳をしたおっさんが、老婆の唇を貪っていた。
はっ⁉︎ これは何の冗談だ?
声に出さなかった自分を褒めたいパトリック。
その後、おっさんと老婆の情事を延々と見せられ、精神的にKO寸前のパトリック。
黒い頭髪が、一瞬真っ白になった錯覚を覚えた。
老婆に腕枕して貰って、甘えるおっさんに軽い殺意を覚えるが、必死に抑えるパトリック。
「レイチェル、また帰る時、書類も持って帰ってね。いつもの所に隠しておいて」
「はいはい坊ちゃん。このオババに任せておいて。しかし貴方は子供の頃から変わらないわねぇ。甘えん坊な所は1つも変わってないんだから」
「だってレイチェルは、初恋の人だから!」
「貴方が生まれた時、私は15歳、あれから50年。貴方と初めて寝た日、貴方は13、私は28。ずっと愛してくれて、私は幸せだわ」
「お互い初めてだったもんなぁ。嬉しかったなあ」
つまり何か? 自分付きの侍女に手を付けて、ずっとその関係を続けてる訳か?
どうでも良いか。それより持ち帰る書類が気になる。老婆を尾行するべきだな。
パトリックは、この後の行動を決めた。
初の濡れ場が、おっさんと老婆www