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特別任務1

ある日、パトリックは、陛下に私室に呼ばれた。


そこにはもう1人、銀髪で茶色の眼をした男がいる。

「パトリックは会ったことないな、こいつは情報部のカイルだ。カイル、パトリックは知ってるな?」

「はい、王国の貴族で知らぬ者は居ないでしょう。初めまして、スネークス伯爵。カイル・ケセロースキーと申します」

カイルと呼ばれた男が、パトリックに頭を下げる。

パトリックと同じくらいの背丈だ。

年は25歳くらいか?中肉中背この世界で一番見かける風貌である。

「初めまして、パトリック・フォン・スネークスです。よろしく」

と、名乗る。


家名があるということは、貴族であるはず。

「ケセロースキー男爵家は、代々情報部でな。領地を持たない宮廷貴族で、主に宮廷貴族の不正を調査しておる。宮廷貴族は王国の権力に近いのでな。表向きは税務官だ」


なるほど、日本の公安みたいな感じか。

「分かりました陛下。で、話とは?」


「それがだな、カイルの調査で、とある貴族家が不正をしている可能性が高いと判った。だが、証拠が無いのだ。カイル、説明を」


「はい、陛下。スネークス伯爵…」

「あ、どうぞパトリックと、私の方が新参者の若輩者なので」

「わかりました。では私の事もカイルと。で、パトリック殿、王国の農耕省はわかりますか?」


農耕省は、王国内の農地の広さや、収穫される作物の種類や量を調査し、特定の作物が不足しないように、輸出入を調整する部門である。

王国の食料供給には、重要な部門である。


「はい、食料は重要ですから」

と、頷いておく。

「そこのトップがどうやら地方領地の収穫量を、不正に低く報告しているようで、その差額の一部を、賄賂として受け取っているようなのです」

つまりその地方の領主とグルな訳ね。


「徴税官にも小遣いを渡し、隠蔽しているようなのです。宮廷貴族は、決まった金額を国から支給されるので、だいたいの収入は分かるのですが、副業もしていないのに、最近、金使いが荒く、明らかにおかしいので、調査しておりました」

つまり俺みたいに酒を販売したりしてないわけね。


「しかし、証拠が無いと?」

聞くと、

「はい。屋敷を家宅捜索するとしても、家に証拠を置いているとも限らず、尾行して出入りする家や、愛人なども見つけられず、陛下に相談したのです」


ここで陛下が、

「でだ! パトリック。お前の能力を活かして、調査してみてくれんか? お前なら、こっそり家に忍び込めたりせんか?」


なるほど! 合点がいった。要はこっそり家探しして来いって事な。


「やってみましょう」


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