別の次元
とある高貴な雰囲気漂う空間。
そこに1人の男が居た。
いや、1人と言うのは、不敬だろう。
1柱と呼ぶべきだ。
そこには、水晶のような物があり、それを覗いてニヤニヤ笑う。
そこに、
「何をご覧なのです?」
女性の声だ。
「いや、少し前にアルファ世界から、ベータ世界に魂を移動させただろ? 確か18年ほど前。」
「ああ、確か記憶の処理をミスったとかおっしゃっていた?」
「そう、それそれ。その子がね、偶然記憶を取り戻してね。今、死神と言われて実に面白いんだよ。いや、記憶ミスったときは、失敗したと思ってたんだけど、上手く戻って良かったよ。早速酒作ったりして、文化の発展に貢献してくれてるよ」
「確か前回の魂は、リバーシとトランプでしたっけ? その前は、手押しポンプでしたね。アルファは、文化的発展は素晴らしいですね。それに比べてベータは、なかなか進まないし」
「それを解消するための魂移動だからね。ベータは、そのかわり大量破壊兵器を禁止してるからねぇ。魔法も広範囲に対して効果のある殲滅魔法は使えないようにしてるし…しかし人間は、どの世界でも戦争するねぇ。創造神様の設定ミスじゃないかなぁ〜」
「そんな事言って、創造神様に聞かれたら、腕引き千切られますよ?」
「おお、怖い怖い。まあ、話は戻るけど、ベータに送った魂だけど、面白いから、ちょっと加護を降ろしてみたよ。まあ、ほんのちょっと能力を底上げして、持ってるアクセサリーに付加価値つけただけだけどね」
「やり過ぎはダメですよ?バランスが崩れるので」
「大丈夫。ほんのちょっとだから」
「それならよろしいのです。冥界神様」