表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
姉×萌え×ショタ ~才色兼備な姉の弱点はボクなんです~  作者: とら猫の尻尾
第一章 才色兼備な姉の弱点はボクなんです《高校受験編》
4/167

お姉ちゃんのシュークリーム

 ボクの姉は東京六大学への合格率で一、二位を争う名門私立高校に通っている。しかも生徒からの圧倒的な支持をうけて生徒会長を務めている才色兼備で完璧な女性だ。


 そんな姉から見ると、ボクなんか背が低くて女の子みたいな顔をしているし、おまけに頭も悪い。ボクは高校受験を控える中三だというのに、友達には『祥太(しょうた)はまだ子供料金で電車に乗ってるだろ』とか悪口を言われたりするし。悪いところを数え始めたらきりがないぐらいにダメダメな弟なんだ。


 そんなことじゃいつまで経っても姉に迷惑ばかりかけてしまう。

 だから…………


 見ててお姉ちゃん!

 ボクは第一志望の男子校に行って一人前の男になってみせるから!


 ボクは姉からもらったハチマチをギュッと頭に巻いて気合いを入れる。『祥ちゃんガンバ!』と桃色の文字が刺繍された姉お手製のハチマキで、目指すは県立K高等学校だ――――!


 苦手な数学の過去問に頭を抱えていたとき、ノックの音がした。

 姉がお盆を持って入って来た。


(しょう)ちゃん、お茶にしない? あまり根詰めても身にならないから、お姉ちゃんのシュークリームを食べて気分転換しましょう!」


「ありがとうお姉ちゃん…… えっと、お姉ちゃん()シュークリーム!?」


「あっ、間違えちゃった! んふっ、お姉ちゃんが手作りしたシュークリームを祥ちゃんのお口いっぱいに満たしてたっぷり堪能してね?」


 なんだか言い直してもらったら更にひどくなったような気がしたけれど、これはボクが変なことを想像したからいけないのだ。何事にも完璧な姉に間違えはないのだから。


 机に置かれたピンク色のお皿に乗せられたシュークリームは、焼きたての(こう)ばしい香りがする。それに姉の身体からほのかに漂ってくる薔薇の花のような匂いが絶妙な感じで混じり合い、ボクの思考力はお花畑にトリップしそうになる。


「はい、どうぞー♡」


「…………えっ!?」


 姉は白くてか細い指先でシュークリームをつまみ、ふわふわ素材の真っ白なセーターの胸元にあてがっていた。

 それって、ボクらが小さな頃にシュークリームを胸に当てて『おっぱーい』とか言っていた遊びの延長なのだろうか?


「んふっ、これじゃ食べづらいかな? あっそうだ! お姉ちゃん、ベッドの上に仰向けになろうか?」


「そんなことされたらもっと食べにくくなっちゃうよー!」


「えー、昔は良くこうやって食べてくれたじゃない!」


 姉は口を尖らせて不満そうに言ったけど……昔って、いつ頃の話だろうか。

 良く覚えていないなぁー。


(しょう)ちゃんが赤ちゃんの頃、お姉ちゃんのおっぱいに当てがった哺乳瓶からいっぱい飲んでくれたのにぃー!」


「えっ、そうだったの!?」


 ボクが赤ちゃんの頃って、お姉ちゃんは二歳か三歳だよね?

 そんな頃からお姉ちゃんはボクのことを見ていてくれたんだね。

 その話を聞いて思わず胸に熱いものがこみ上げてきた。


 だからと言って、女子高生のおっぱいを中三の弟が吸って良いわけがなく、いや、吸うんじゃなくて食べる……いやいや、食べるのはシュークリームな訳で……

 などとボクがあたふたとしていると、お姉ちゃんはシュークリームを小さくちぎってボクの口の中に入れてきた。


「どうかな? 美味しい?」


 姉は膝立ちになって下からボクを見つめている。

 ほんのり頬が赤くなっている姉の顔は、弟のボクが言うのも変かも知れないけれどとても可愛くて美人なんだ。

 ボクが見つめ返すと、ハッとしたように目を見開いた。


「あっ、(しょう)ちゃんはお勉強中だったね、これはお姉ちゃんが食べさせてあげるから構わずお勉強に集中して!」


「う、うん。そうするよ」


 姉に促されてボクは再び過去問に取り組み始める。

 うーん、やっぱり数学は苦手だ。

 それに…………


「はい(しょう)ちゃん、あーん♡」


 まるで小動物の餌やりみたいな感じで姉が手を出してくるのでなかなか勉強に集中できないんだ。

 そして、その度にボクの口の周りについたクリームを丁寧に指先で拭って『んふ!』って笑いながらその指をしゃぶっているその仕草がとても気になってしまうんだ。


 いくら鈍感なボクでも、この姉の行動は黙って見ている訳にはいかないよ!


「お姉ちゃん!」

「ふえっ!? ど、どうしたの(しょう)ちゃん、いきなり立ち上がって……」


 目を見開く姉に、ボクはしっかりと目を見つめて宣言する!


「それほどまでに大好きなシュークリームをボクのために分けてくれてありがとう!」


「あっ、う、うん。どう……いたしまして……」


 どういう訳か、姉は腰を抜かしたように女の子座りをしたまましばらく動けなくなっていた。

     


幼い姉弟が無邪気に『おっぱーい』って言い合っている姿を想像したら、少し幸せな気分になりませんか?

なりませんか……そうですか。ボクはなるんですけど……


こんな感じでしばらく姉弟のいちゃいちゃ&すれ違いが続きますが、今後ともよろしくお願いします。

感想・評価をいただけるとお花畑にトリップするぐらいに嬉しいです。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

新作公開中!『馬小屋のペティ』
script?guid=on
小説家になろう 勝手にランキング

↑↑1日1回のクリックお願いします↑↑


小説家になろうSNSシェアツール
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ