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姉×萌え×ショタ ~才色兼備な姉の弱点はボクなんです~  作者: とら猫の尻尾
第二章 鮫島花梨AAは女を磨きたい《高校入学編》
132/167

王子様のキッスで目覚めるのは…(弐)

 プラネタリウムの売店の前で鈴木先輩と姉に合流した。

 花梨さんはニコニコ顔で先輩の腕に抱き付いて、


「カリンが突然いなくなって寂しかったですか? センパイ?」


「あははは、確かにちょっとびっくりしたよ。もしこのまま合流できなかったらどうしようかって、会長と話していたところだったよー」


 そしてチラっと姉の横顔に視線を送る鈴木先輩。

 姉はそんな先輩の様子には関心がないらしく、ボクの腕を両手でギュッと握り、もう絶対に逃がさないという構えだ。


 うーん、なんか胸の奥に何かが詰まっているようなこの感情の正体は何なんだろう?


「センパーイ、カリンは喉が渇いちゃいました。どこかに入って何か飲みませんか?」


 いいぞ花梨さん。その調子で日の入りまで時間を潰すんだ。

 そしたら、ここを出るころには、海に沈む夕陽がバッチリ見られてムード満点だ。


「うん、それいいね。会長も一緒にどうです?」


「「え」」


 ボクと花梨さんの声がシンクロした。

 先輩はにこやかな表情を崩すことなく姉に視線を送っている。

 

 姉は――


「ん? 何か言った?」


 全然話を聞いていなかった。

 ボクがまたどこかに走り去らないかを心配して、ボクの腕に全集中していたようだ。


「えっと……俺達これからカフェに入ろうと思っているんスけど……会長も一緒にどうかなって……」


「ダメね鈴木君……」


「えっ」


「あなたは鮫嶋さんを最後まできちんとエスコートしなさい。約束を守ることは、生徒会役員である以前に、人として当たり前のことでしょう?」


「うっ」 


 鈴木先輩は姉の言葉を聞いてうな垂れた。 

 その腕を抱えている花梨さんは、ぽかんとした顔で二人を交互に見ている。

 ボクはその時、胸のモヤモヤが薄らいでくるのを感じていた。


「じゃあ、私たちは帰るから。後は二人で思いっきり楽しんでいってね?」


 姉はボクの腕を抱いたまま、ボクを中心としてクルッと回転した。

 そのまま立ち尽くす二人を置いて、ボクらは駅の方角へと歩いて行った――




 ―― 




 ――んだけど。



「わーお、時間ピッタリじゃない? ああ見えて鮫嶋さん、几帳面なところがあるのね!」


「うん、そうだね。ちょうど日の入り時刻だね……」


 ボクたちは、海の見える歩道橋のモニュメントに身を潜め、二人の様子を観察しているのである。


 


気がつけば前話の更新から1ヶ月が経っていました。

更新が遅くなってしまい申し訳ありません<(_ _)>

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