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姉×萌え×ショタ ~才色兼備な姉の弱点はボクなんです~  作者: とら猫の尻尾
第二章 鮫島花梨AAは女を磨きたい《高校入学編》
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まず馬を射よ(玖)

 入学早々に校内のイケメン男子を見つけては、見境もなくアタックしていた好色家。周りの空気を一切読まず、無謀なチャレンジを繰り返し、ことごとく失敗して、それでも諦めずに立ち上がる頑張り屋――


 それがボクの花梨さんに対するイメージだ。


 そんな彼女が、ようやく掴んだチャンス。

 それが今日のデートだ。


 キリッとした二重まぶた。

 全身から漂う清潔感。

 鼻筋の通った顔。

 そして今流行のメガネ男子。

 鈴木先輩はどれをとっても条件にピッタリ合うはずなんだ。

 それなのにデートしていても全然楽しくないだって?


「もしかして、ケンカしたの?」


 ボクの問いかけに、花梨さんは俯いたまま首を振る。


「じゃあ……なにか嫌なことをされた?」


 首を振る。


「うーん……嫌なことを言われたとか?」


 首を振る。


「あっ、強引に迫ろうとして拒否られちゃった!?」

「まだしてないもん!」


 ……予定はあったんだ?


「逆に、何もされないから!?」

「何が逆よ! だって、そういうことは男子がリードしなきゃいけないことでしょう?」

「えっ、そうなの!?」

「だって、ばあやが言ってたんだもん!」


 また〝ばあや〟さんか。

 ばあやさんは花梨さんの本当のおばあさんではなくて、鮫嶋家の使用人らしい。

 ボクには〝エビフライ弁当の人〟という印象が強いんだけど。


「お店をぶらぶら歩いていても全然手を繋いでくれないし、プラネタリウムの中でもじっと座っているだけだったんだよ?」

「あー……」


 ……ボクたち姉弟とは対照的だったんだね。

 でも、プラネタリウムって、本来はじっと座って夜空を見上げるものだと思う。


「ねえ、どうすればセンパイはカリンのことを見てくれるかな?」

「えっ!? 鈴木先輩は花梨さんのことを見てくれないの?」

「視線は向けてくれるけど……なんか小動物を見ているような目というか……」

「なにそれ!」


 あ。でもちょっと分かるかも。


「じゃあさ、これはどうかな。ごろにゃーんて猫みたいにすり寄っていくのは?」

「えっ……」


 ボクは肩をすぼめて、花梨さんの横に立ち、


「うちの家政婦がときどきボクにやってくるんだけど、こういう感じに……ごろにゃーんって……」


 肩と肩をスリスリこすりつけていく。

 ふわりと甘い香りが鼻孔を刺激して、ハッとして我に返った。


「……その家政婦って人、大丈夫なの?」


 ジト目を向けられて、慌てて離れるボク。

 めっちゃ怒られるかと思ったけれど、花梨さんの頬はほんのり赤味を増している。


「き、喜多さんはね、恋愛マスターなんだよ! だから、ボクを練習台にしているのかも知れないね?」


「あははは、ほんと大丈夫なのー?」

 

 ころころと笑い出した花梨さんを見て、ボクはようやく安心した。



第二章もまもなく完結というところで、更新速度が遅くなって申し訳ありません。

現在、もう一つの作品の執筆と、イラストの練習を同時並行に行っているためなんです。

ですが、『姉×萌え×ショタ』はこれからも続けていきますので、どうぞご贔屓によろしくお願いします<(_ _)>

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新作公開中!『馬小屋のペティ』
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