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創造能力なのに剣以外を創造出来ません  作者: 幻影刃
第五章 翼竜族の街 タルベス
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二つ目の力


「信徒じゃないって、どういうことだ?」


 レオンは間違いなく邪龍神教に肩入れしていた。

 だと言うのに、信徒ではないとはどういうことなのか。


「俺は元々、ある人に頼まれて邪龍神教の情報を集める為に邪龍神教にいたからな。言わばスパイってやつだ」

「ふーん。それじゃあ、そのある人って誰だ?」


 レオンがスパイであったことはわかった。

 だが、レオンはある人に頼まれてと言った。その誰かが、一体どうして邪龍神教の情報を欲したのか。


「……貴様がこの世で最もよく知る人物だ」

「んー?」


 急にそんなことを言われても、今まで出会った人物の中に邪龍神教についてを調べていた人物はリアラくらいしか俺は知らない。

 だからと言って、リアラがレオンに依頼するなんてことも想定しずらい。


「それは兎も角、何故ヴァーレルに従っていたんだ?」

「あの剣だ」


 そう言ってレオンが指さしたのは、俺が先程の戦いで折ったレオンの剣だった。

 一体あれがなんだと言うのだろうか。


「あの剣には発信機が付けられている。急にやってきた俺を怪しんだヴァーレルが仕掛けたものだ」

「なるほど、その剣でお前の居場所を監視し、万が一剣を手放せばヴァーレルはお前が邪龍神教から逃げたということでスパイと確定させる、という所か?」

「……逃げたという言い方には腹が立つが、まあ大体そんな感じだ」


 あれだけ俺達と敵対しときながら、今更中立的な立場だったと言われても信用し難い。

 だが、レナの反応を見る限り嘘を言っている訳では無いようだ。


「それから、貴様の仲間にエレナという奴がいただろ」

「——!」


 俺は、レオンのエレナという名前を聞くとピクっと反応する。


「アイツは貴様達を監視する為にヴァーレルが仕向けたものだ」

「………」

「アイツの目で見ているものや耳で聞いていることがヴァーレルの持つ端末に繋がっている。正直、ガルメでは休憩がてらに寄っただけなのだが、そいつがいるせいで戦う羽目になった、と言おう」


 エレナの見たり聞いたりしていたものがヴァーレル

にも確認が出来たということは、俺達がヴァーレルと遭遇してからわかった。

 そして、エレナはヴァーレルの手によって意識を奪われ操られた。

 勿論、エレナを救う術なんてものは俺は知らない。


「それと、レナと俺の関係のことだが、ただの協力関係だ」

「あ、うん、そうか」


 俺が考え始めてから数分後に突然、レオンが先程俺が訊いた質問の答えを言ってきた。


 いや、自分で訊いた質問なのだが、今はそれを考えるよりもレオンが邪龍神教の信徒ではなかったことについてやヴァーレルのことについての方を考えた方がいい気がする。


「とは言っても、ガルメから帰ってきた辺りからだがな」

「わかったから、とりあえず早く力を返してくれ。こうしている間にも、俺の仲間が待っているんだ」

「それはすまなかった」


 質問したのは俺の方なのだが、今回ばかりは早く帰らないとリアラとディンに心配させてしまう。

 もっとレオンのことについて訊きたいことはあるが、また今度会った時にでも改めて訊くとしよう。


「それでは、少しこっちに来てくれ」

「あいよ」


 俺はレオンの指示に従い、レオンの傍まで来る。

 そして、レオンは俺の腹に手を当てる。


 すると、レオンの手を通して俺の中に何かが入ってくる。


「…………」

「………これで終わりだ」

「ありがとな」


 力が漲ってくる……なんてことはない。

 それどころか、特に変わった様子がない。


「変化がないと思うのなら、もしかしたら本体の方に変化があるのかもしれんな」

「なら、早く戻るとするか」


 俺はレナのいる方へ向かい、レナに元の世界に戻してくれと頼む。


 俺がこの世界に来る前は夕方だったので、戻る頃には真夜中になっているだろう。


「シロウ サクラギ」

「何だ?」


 レナが元の世界に戻る準備をしている途中に、レオンは俺に声掛けてくる。


「エレナを救いたければ、ヴァーレルの持つ端末を破壊するんだ。そうすれば、少なくともエレナを操る術はなくなる」

「そうか。ありがとな、最後の最後まで」

「礼ならヴァーレルを止めてからにしろ。貴様が失敗して、邪龍を復活されるのは御免だからな」


 レオンがそう言った瞬間にレナの準備が完了する。

 そして、ここに来た時と同じような浮遊感を感じ、そのまま俺はリアラ達が待つタルベス前の森へ向かった。



* * * * * * * * * * * *



 あそこに行くときに出た白い光が再び来る。

 この光は一度経験しているので来るタイミング等はある程度感覚で掴めた。


 光が静まっていくと、そこには俺達がいた森が——


「って、何だこれ!?」

「森が……」


 そこには、木々が薙ぎ倒され俺がいた時の面影は全くなかった。


「俺達の体は——」

「安心して、体がなくなれば魂がそれを感知するはずだから」


 つまり、感知されなければ体は無事だということだ。

 だが、一体誰がこんなことを——。


「そこっ!」

「あれは——」


 そこには真っ赤な体と三本の角が特徴の二足歩行の竜が何かを探すようにキョロキョロしていた。

 一応翼もあるが、飛ぶ気配がしない。


「まずい、暴走竜だわ……!」

「暴走竜?」

「四天竜の一体よ」

「は!?」


 俺が見ている竜の正体は、四天竜の一体である暴走竜らしい。

 確か、俺がタルベスに来る時にも四天竜の一体であるファス・ブラドと遭遇したが、こうも一箇所に集まることがあるのか?


「こんな山地に来ることなんて滅多にないのに……」

「取り敢えず、ディン達が無事かを確かめないと」


 そのまま俺達は、リアラ達がいる地下への入口前に向かう。

 そして、地下への入口前に着くとディンとリアラの姿と俺とレナの体があった。

 ——どうやら、無事のようだ。


 リアラ達の無事を確認すると、俺とレナは自分の体に入り込む。


「戻った!」

「うわっ!?」

「ひゃっ!?」


 体に入ってすぐに声を出すと、ディンとリアラの驚いた声が聞こえた。

 それからすぐに、自分の体の変化を調べる。


「ちょっ、お前なあ!」

「心臓に悪いですよシロウさん!」

「おっと、わりぃわりぃ」


 変化を調べながらそう返事する。


 そして、変化したことだが、外見はわからないがレベルと魔力量、それぞれの能力値がかなり上昇していた。

 それと、スキルの「???」の一つが射出に変わっており、属性に龍属性が追加されていた。


「と、その外見を見る限り奴との勝負には勝ってきたのか」

「まあな。それと、今の俺の外見ってどうなってる?」

「髪の毛の八割が銀髪で残り二割が黒髪。目は両目とも赤だ。まるでそこの嬢ちゃんみたいだな」


 ディンが言った俺の容姿の大体は予想通りだ。

 何で龍属性持ちの邪龍の器は銀髪赤目という容姿になるのかはわからないが、俺もその容姿に近づいているといわけだ。


「さてと、私達も戻ったことだし、まずは現状の確認でもしない?」

「そうだな。お前らが行っている間に少々動きがあったからな」


 そして、街に再び侵入する前に、取り敢えずは現状の確認をすることになった。

四天竜二体目。名前考えるのに時間が掛かります(サブタイトル含め)

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