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創造能力なのに剣以外を創造出来ません  作者: 幻影刃
第五章 翼竜族の街 タルベス
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信念の強さ

出来れば四月までには完結させたい。


 剣と剣がぶつかり合う音が空に響く。


 先程はレオンが優勢だったのに対し、今度は俺がレオンよりも優勢な立場にあった。


「——くっ……!」


 レオンが苦しそうな表情をする。

 それもその筈。俺は先程から二本の剣でレオンを攻めている。

 しかし、レジェスの時は違って時折剣を投擲し逃げ道を塞ぎながら攻撃をしている。

 その為、普段よりもレオンの体力の消耗が激しくなっている。


「これなら、どうだ!」


 レオンはこのままでは不利だと感じたのか、一度距離を置いた後に十字の斬撃を放って来る。


 先程までの俺ならば、あれを防ぐのもギリギリだったが、今の俺ならば話は別だ。


「お前が俺の能力を使って斬撃を放っているのなら、俺が出来ない道理はない!」


 俺はレオンが斬撃を放つ時の構えを思い出し、それと全く同じ動きをする。

 すると、属性的な問題なのかレオンとは色が違い、赤黒い十字の斬撃が放たれる。


 俺とレオンが放った斬撃は衝突し、四散する。


「例え貴様が龍属性を使えたとしても、貴様の負けは変わらない!」

「勝手に決めんな、まだ勝負は終わっていない!」


 どちらかが一歩でも引けば勝負は着く。

 だが、お互いにそれを許さず、一歩も譲らない。


 それから俺とレオンは、出せる最大の力で攻撃し合う。

 一方が攻撃を命中させると、またもう一方が攻撃を命中させる。


「うぉおおおおおお!!」

「チィッ……!」


 レオンが俺の能力で作った剣擬きで攻撃するが、その剣は龍属性が付与されている俺の剣に()()()()()()()()()()


 龍属性とは破壊に特化した属性である。

 何の対策もなしに触れれば、忽ち消滅させられるだろう。その例が、先程砕け散ったレオンの剣擬きだ。


 だが、あの禍々しいオーラを纏った剣だけは何故か砕けない。


「その剣、一体どういう作りしてんだ?」

「さあな、俺にもわからん」

「お前が持っているのにか?」

「ヴァーレルに渡された剣が何かなんて、一々気にしていられるか」


 ヴァーレルに渡された、というワードで少し反応するが、お陰で何故龍属性が効かないのかが特に理由もないのに納得出来た。


 それから暫くすると、今までついて来ていた俺の攻撃をレオンは苦しい顔で対応する。


「……ハァ……ハァ……」

「……お互いに、体力は限界らしいな……」


 俺とレオンは共に息を切らす。

 俺の場合、結構贅沢に魔力を使っていた為、そろそろ残りの魔力量も少ない。

 ——恐らく、次の攻撃が最後の攻撃になる。


「「これで、最後だ!」」


 俺はレオンに向かって走り出す。

 それに対してレオンは、その場から動かずに剣擬きを射出してくる。

 ——その数、およそ十数本。


「はぁああああ!!」


 自分にあたるものだけを弾きながら走る。

 だがしかし、流石に全てを弾くことは出来ず何本かが俺の体を掠める。


「この……!」


 レオンはもう目の前にいる。もしかしたら、回避されて反撃されるかもしれない。


 ——そんなこと知ったことじゃない。


 反撃される危険性があるのなら、この攻撃を確実にあてればいいだけだ。

 それに、少なくともレオンが持っている剣を破壊すればどうにかなる。


「これなら、どうだ!」


 そう言ってレオンが出したのは、先程よりも遥かに多い数の剣擬きだった。


 だからと言って、ここで諦める訳には行かない。

 奴がそうするのなら、俺はそれ相応の攻撃で対処するだけだ。


「創造!!」


 俺が創造したものは大量の剣。数はレオンの出した剣擬きと同じくらい。

 それを魔力解放によって体から溢れ出す魔力を使い、中に浮いた状態で射出する。


 射出された剣は、俺とレオンの間でぶつかり合う。

 ぶつかった剣同士は砕けていく。


「「うぉおおおおおお!!」」


 射出された全ての剣が砕け散ると同時に、俺とレオンは互いに攻撃出来る間合いまでに入っていた。


 ——そして、再び剣がぶつかる。


「これは、どうやら引き分けのようだな」

「だから、勝手に決めるなって言ってんだろうが!」


 残りの魔力と魔力解放で溢れ出ている魔力を全て、今俺が持っている龍属性を付与した剣に纏わせる。

 すると、剣から赤黒いオーラと共に稲妻が走る。


「なにっ!?」

「たぁああああああ!!」


 そして、レオンの持つ剣を切断し、そのままレオン本体を斬る。 


「……俺の勝ちだ」

「ああ、そのようだな……」


 斬られたレオンは仰向けに倒れる。

 それから間もなく、俺も仰向けに倒れる。


「終わった?」


 そう声を掛けたのは、この戦いを見守っていたレナであった。


「見りゃわかるだ」

「そうね」


 そう言ってレナは俺とレオンに手を当てる。

 すると、俺には青い光が。レオンには緑の光が現れる。

 それと同時に、俺とレオンの傷が回復して行く。


「これは……」

「シロウは自動回復があるらしいから魔力を。レオンには普通に治癒力増加の魔法をかけたのよ」

「余計なことを……」


 ある程度回復したところで俺はレオンに声をかける。


「レオン、三つだけ質問させてくれ」

「何だ?」

「一つは、お前が持っていた剣は何だ?」


 これはずっと気になっていたことだ。

 いくらあのヴァーレルから渡されたとしても、その剣がどのようなものなのかは把握しているはずだ。


「……あの剣は、己の中にある属性を一つだけ纏わせることが出来る剣だ。そして、俺が持つ属性は闇属性のみ」

「なら、あの禍々しいオーラの正体は闇属性だって言うのか?」

「そうだ。闇は全てを呑み込む。勿論、人の治癒力でさえだ」


 なるほどな。これで、何故あの剣があたると回復しなかったのかがわかった。


 この世界の回復魔法やスキルは全て、自分の治癒力の増加により行う。

 その治癒力を奪われれば回復は出来ない。


 今回の場合は、魔力解放で強引に残った僅かな治癒力を活性化させて回復出来たが、もし魔力解放が出来なかったら俺に勝ち目なかった。


「それじゃあ二つ目。レジェスで連絡していた相手はヴァーレルか?」

「そうだ」

「ふーん。それじゃあ最後の質問。お前とレナってどういう関係?」


 俺がそう言うと、二人が真顔でこちらを見てきた。

 何かおかしなことでも言っただろうか?


「関係を言う前に、このことを先に言った方がいいか……」

「ええ、その方が理解しやすいと思うし……」


 聞こえないようにコソコソと言っているつもりのようだが、俺には普通に聞こえている。

 そして、話し合いが終わるとレオンは俺を見つめる。


「まず、関係がどうかという前に聞いて欲しい」


 レオンは一度、深く深呼吸をした後に言う。


「俺は、邪龍神教の信徒ではない。それに、ヴァーレルに協力したくてしていた訳では無い」

「………は?」


 レオンの口から放たれた言葉は、俺の予想とは全く別の発言であった。

まさかの事実ですが、実はレオンの登場段階からこうしようとは思っていました。

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