力の在処
テスト前だったのでなかなか更新できませんでした。
——シロウ様……シロウ様……。
誰かが呼んでいる。
こんな時に一体なんのようなのか。
——レオンに会いなさい。そうすれば……。
そうすれば……なんだよ。そこは教えてくれないのか。
それより、レオンに会えってどういうことだ。
そもそもいる場所はわからないし、会ったところですぐに戦闘に入るのは目に見えている。
だが、この状況をどうにか打開出来るかもしれない。
「………さん!…シロウさん!」
「——どうかしたか?」
「いえ、何やらボーとしていたようなので……」
塔から脱出した俺達は街の門を越え、一度ディンの元へと帰還していた。
目的は、傷の治療と体勢を立て直すこと、それからこれからどうするのかについてだ。
因みに、俺が着ていた服はディン曰く、目のやり場に困るらしいので元の服に着替えておいた。
「さて、これからどうする?」
「もう一度潜入しようにも、恐らく前よりも警備を強化していますからね……」
「……………」
今しているのは、もう一度街にどう潜入するかだ。
間違いなく街の警備が強化しているだろう。
そして、もしその警備を掻い潜って塔に侵入出来たとしても、そこにはエレナを従えたヴァーレルがいる。
「……レナ」
「何?」
「レオンの居場所を知っているか?」
「知ってるけども……急にどうしたの?」
「会って話がしたい」
行き詰まっている今の状況にあの時聞こえた声に従ってみる。
「正気ですか!?」
「正気だ。俺はアイツと話をする。それと、アイツに会えば今心の奥底で引っかかる何かがわかる気がする」
「……案内してやれレナ」
「……いいのね?」
「ああ」
リアラが反対する中、ディンとレナは了承してくれた。
リアラには悪いが、今だけは個人的な理由で動かせてもらう。
「……わかりました。二人が言うのであれば、私も了承します」
「すまな「ただし」?」
「必ず帰ると約束してください。それが条件です」
「……保証はない。だが、必ず戻る」
「ところで、その言いっぷり……お前、さてはここに残るつもりか?」
「…………」
こちらからとしても、リアラがここに残るというのは有難い話だ。
レオンは邪龍神教で目的はリアラを捕えることだ。
しないとは思うが、人質にでも取られたらその時点で俺の敗北だ。
「それなら、俺もここに残ろう。その方がこいつにとっては安全だろう」
「そうしてくれると助かる」
リアラ一人では流石に不安ということで、リアラと共にディンがこの場に残ることになった。
ふと思ったことだが、ここに来てからディンが戦ったところを一度も見ていないのだが……。
「それじゃあシロウ、私に捕まって」
「わかりました」
「……移動することは無いけども、これは作動させる人に捕まっていないと一緒に連れてけないからねー」
「は?何のこと——」
その瞬間に、自分の体が倒れる瞬間を目撃した。
一体何が起きたのか一瞬理解出来なかったが、落ち着きを取り戻すと何が起きたのかを理解する。
「幽体離脱?」
「そう。実際言うと、私はレオンの居場所は知らない。だけど、レオンの精神がどこにいるのかは知っている」
「レオンの精神?」
それよりも、今は何故このようなことをレナが起こせるのかを訊きたいところだ。
いや、この場合はレナが幽体離脱のスキルを持っていると考えていいのだろうか。
「レオンは度々、精神のみが入れる世界に私と同じスキルを使って入ってるの」
「(スキルで合ってた)そこで何を?」
「それは私も知らない。まあ、レオンのことだから精神統一やら修行でもしてるんじゃない?」
知ってそうな口ぶりだった癖して、レナはかなり適当に答える。
それより気になることなのだが、レオンとレナって一体どういう関係なんだ?
ガルメでも、結構親しそう?の会話をしてたしな。
「それより、もうすぐ着くわよ」
レナがそう言って間もなく、俺の視界は真っ白になった。
それから三秒ほど経つと視界は晴れ、俺の目には真っ白な空間が広がっていた。
女神様といた空間とは空が夕焼けということ以外は何も変わらない。
そして、その夕焼けで影になっている丘の上にレオンはいた。
「……何の用だ」
「久しぶりに会ったってのに、挨拶は相変わらずね」
夕焼けで見えにくいが、丘の上にいるレオンはこちらを睨みつけてくる。
「貴様……確か、シロウだったか?」
「お前が俺の名前を覚えてるなんて、どういう風の吹き回しだ?」
「……あそこまで邪龍神教内で有名にもなれば覚えるだろ」
「——?」
レオンが何か言っているが、その話の内容を俺は理解できない。
何処かで同じような話を聞いた覚えはある……がしかし、色々なことがありすぎて忘れてしまった。
「取り敢えず、お前に訊きたいことがある」
「……何だ?」
「俺の力の一部……お前が持ってるだろ」
「……だとしたら、どうする?」
「返してもらうだけだ」
あの状況でレオンに会えってことは、恐らく俺の力の一部に関連することだと予想したが……まさか、当たっているとはな。
——実は、結構冗談で言ったというのは黙っておく。
「……そうか。別に俺ではこの力を使いこなすことは出来ない。だから、返してやらんことも無い」
「だったら——」
「だが、それは俺を打ち負かしてからにしろ」
「……やっぱりそう来るか」
こういう展開は、レオンに会うという時点で予想は出来ていた。
力を返して欲しければ、力で証明しろということだろう。
「この力の強大さは貴様が一番知っているはずだ」
「………」
「返して欲しければ、それ相応の力を俺に証明して見せろ!」
レオンはそう叫ぶと、丘の上からこちらに向かって歩いて来る。
「……レナ、手出しはするなよ?」
「わかってる」
俺はレナにそう一言だけ言い、レオンの方に歩き始める。
そして、俺は今出来る最高の剣を創造し、レオンは常に持っている禍々しいオーラを纏った剣を腰から抜き、お互いがある程度近付いた時に構える。
「前よりは力をつけた様だが、それでもまだ俺とは互角という辺りだ。僅かでも気を抜けばそれがお前の死に際だ」
「わかってるさ。だが、それはお前も同じことだ」
「精神が死ぬと、勿論本体が目を覚ますことは無い。つまり、ここでの死は現実での死と同じという事だ」
「負ける気なんて、元からねぇよ!」
俺は接近すると同時に魔力解放をし、剣を振るう。
それに対して、レオンも同じタイミングで接近し、剣を振るう。
今ここに、俺とレオンの決戦が幕を開けた。
次回が楽しみな作者です。
ま、書くのは自分なんですけどね。




