必殺の一手
更新できなかったのは、テストと体調不良で中々執筆が出来なかったからです。
大変申し訳ございませんでした。
「はぁっ!!」
俺は、ナイトメアヘルに向かって切り掛る。それをナイトメアヘルは手を使って攻撃の軌道を変えることによって回避する。
その後、すぐにカウンター攻撃を仕掛けてくるが、それを魔力解放による回避で攻撃を避けると同時に相手と距離を取る。
「ま、そう易々と倒させてくれる相手じゃないよな」
「様子見ではお互いに埒が明かない。本気を出せ」
「てめぇが本気で来るなら俺も本気を出すつもりだ」
その言葉を聞いてナイトメアヘルはニヤッと笑う。
「いいだろう。我も今ので準備運動が終わったところだ」
「………」
「クククククッ……まさか、我が本気を出すざるを得ない相手が現れるとは、世の中捨てたものではないな」
そう言って、ナイトメアヘルは俺と同じように魔力を放出し、それを自らの体に纏う。
そして、地面から出ている触手に手を突っ込みすぐに抜いた。その手には、闇属性を纏った一本の剣があった。
対して俺は、今まで抑えていた魔力を最大解放し、体から溢れる魔力が先程とは比べ物にならない量になっていた。
ナイトメアヘル、お前が全てを呑み込む闇だとするなら、俺は闇を打ち払う光となろう。
「知ってるか?光と闇は決して混ざり合うは無いんだぜ?」
「つまり、貴様は何が言いたいのだ?」
「簡単だ。要するに、お前が今の俺の体を取り込むなんてことは出来な言って事だ」
「フッ、戯言を!」
ナイトメアヘルは持っている剣を右から振り、その反対からは無数の職種で攻撃を仕掛けてくる。
それから暫く俺とナイトメアヘルは互いに斬っては防ぎを繰り返していた。
そして、ナイトメアヘルが剣で足元を攻撃してきた時に俺は、さっき地面に刺した剣の柄を踏み台にしてジャンプすることで回避する。
その後に来る触手によるを気にすること無く、床に刺さっている剣を抜き、ナイトメアヘルに向かって投げる。
「なっ!?」
ナイトメアヘルは右手の剣で防ごうとしたが、間に合わないと思ったのか俺に攻撃する筈の触手を剣の方へと向かわせて防御した。
「やっぱりな」
「………」
「今のお前には実体がある、違うか?」
「いつ気付いた?」
「俺がお前を蹴った時だ。体がスライムであれば蹴りなんて攻撃はまず当たらない。だが、俺の蹴りは当たった。ということは、今のお前は人間の体になったことで物理攻撃も魔法攻撃も当たるようになってしまったってところか?」
スライム体だったからこその不死身を人間の話す能力を手に入れる代償として失ってしまったナイトメアヘルは、物理攻撃も魔法攻撃も当たる。
つまり、以前程の厄介な相手ではなくなったということだ。
「それがどうした?攻撃など当たらなければいいだけの話だ」
「はっ、そう慢心していられるのも時間の問題だぜ。その能力を失ったことに後悔しても遅いぞ!」
俺は、ブーメラン型の剣を二本創造してナイトメアヘルの左右を狙って回転させながら投げる。
その後すぐに同じ剣をもう二本創造して斜め上の左右を狙って投げる。
この戦略は、ガルメで俺が漆黒の剣士との戦闘で使ったものだ。
しかし、今回は数を倍にして数を増やしている。
剣が戻って来るタイミングを見計らって、空中で数本剣を創造し、高速で相手に放つ。
これは、ただの創造スキルの応用だ。普通なら、体から漏れ出している本の僅かな魔力を集めて剣を創造し、それを魔力の爆発を利用して長距離そして高速で飛ばす。
一見便利に見えるが欠点もある。
それは、創造出来る剣は最低一本だということだ。
その理由は、体から漏れ出す魔力は言えば、消しカスみたいなものだ。その為、集めるのに時間が掛かってしまうし、一度してしまうと漏れ出した魔力の殆どが無くなる。
勿論、創造する為に消費する魔力量も少ないので、創造した剣の性能はかなり低い。使えたとしても、精々相手の気を逸らすくらいだ。
だが、今の俺の体から漏れ出す魔力は、魔力解放によってもはや漏れ出すなんてレベルとは程遠い。
だから、この体から溢れ出てくる魔力で創造出来る剣の性能は本来の創造スキルで創造した剣と同じだ。
「これが最新の必殺技だ!」
剣を投げたと同時にナイトメアヘルに向かって接近する。
前からは俺のジャンプ斬りと投げた数本の剣による遠距離攻撃。背後と左右からは四本の剣が飛んでくる。
まさに、上と前、背後と左右からの全包囲攻撃。
——これを避けれるものなら避けてみろ……!!
「なるほど、全方向からの攻撃とは考えたな。だが、避けられない程では……!?」
「勿論、そのことも考えていたさ」
俺は、もし避けられた或いは、全方向の内一部を無効化し避けようと動いた場合のことも想定済みだ。
第二の作戦として、ナイトメアヘルの背後と前、左右から飛んでくる剣と俺の魔力を繋げておいた。
本来創造スキルは、魔力で物を創造し、自分が創造するために送っていた魔力と創造した物を切り離すことで一つの物として創造が完了する。
だが、今俺が投げた全ての剣はまだ魔力を繋いでいるので半分魔力体になっている。
魔力体——それは、実体はないがその攻撃を形と姿が薄らと見える状態のこと。
俺は、剣がギリギリ実体を持つ程の魔力で創造しそれを投げたのだ。
もし、魔力体だからといって避けない場合は繋いでいる魔力を切り離し、完全に実体を持たせることで相手にヒットさせる。
避けた場合は、剣には耐えきれない膨大の魔力を送り込み切りすことで魔力による大爆発を起こさせる。
そして、それは俺の好きな時に出来る。
「バカな、貴様死ぬ気か!?」
「お前を仕留められないよりマシだ。それに、俺は死なねぇよ」
「何を根拠に……!」
「根拠はない。だが、俺にはお前とは違って待ってくれている人達がいる。ここで死ぬ訳にはいかないんだよ。俺の記憶の件についての謎もまだ何も明かせてないしな」
一瞬の筈の時間が長く感じる。だが、それももう終わりが近い。俺が投げた剣がもうすぐナイトメアヘルまで到達する。
魔力を繋げているから剣の場所が自分からどれくらい離れているのかが大体わかる。
「フッ、今回は負けを認めよう。だが、貴様も死なぬのなら我も死なん」
「———」
ナイトメアヘルは、攻撃を避けようとした体制を整えるのは不可能だと判断し、俺にそう言ってきた。
あの場所からは俺の件による攻撃は当たらない。
——どうやら、大爆発は免れないようだ。
「もしお互いに生きていたら、また戦おうではないか」
「それはごめんだ。何故なら、ここで俺がお前を確実に仕留めるからだ」
じゃないと、この街とその住民達を救うことが出来ない。
「終わりだ!!」
そして、俺はほぼゼロ距離の位置まで飛んできていた剣を爆発させ、俺とナイトメアヘルはこの爆発の中に消えていった。




