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創造能力なのに剣以外を創造出来ません  作者: 幻影刃
第三章 女性の町 ガルメ
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魂と体

今回は前話より短めです。


「……………」


 町の消火が終わり俺達はあの大火災の中、奇跡的に被害が少なかった宿にいる。

 宿の部屋は全て空いていた。あんなことがあったんだ、当然のことだろう。


「……何故、俺達の場所がわかったんだ?」


 邪龍神教は俺達がレジェスを出たことを知っているはずがない。手掛かり一つ無い状況でどうやって?


「……何か俺達が大事を起こしたか、或いは——」


 そこから考えるのは止めた。否、考えたくなかった。

 俺達の身近に()()()がいる可能性を俺は考えたくなかった。


「——まずは俺達が起こした大事について考えることにしよう」


 内通者の事よりまずは大事について考えることにした。

 俺とリアラがこの町に来てから起こした大事といえば……。


「リアラの買い物、エレナとの出会い、ゴブリンメイジの討伐、漆黒の剣士との死闘くらいか」


 リアラの買い物は、可能性としては低いな。エレナとの出会いも可能性は低い。と言うかそもそも大した大事でもない。


 なら、ゴブリンメイジの討伐と漆黒の剣士との死闘に絞られるな。

漆黒の剣士は……殆どの意思が感じられなかった。あの状態で邪龍神教に報告するのは無理がある。とすると、やはりゴブリンメイジの討伐か。


 あの変異が自然なものではなく人の手によるものなら十分に可能性はある。


「あまり目立たないようにしないとな」


 今回見つかったのはそのゴブリンメイジの討伐で目立ってしまった、或いは邪龍神教があのゴブリンメイジを召喚し、俺達の場所を探っていたかだ。

 以後気を付けなければ。


「それよりも、俺自身についてだよな」


 漆黒の剣士と戦っていた時の急な頭痛と謎の記憶。今までこんなことは起こらなかったのに何故あのタイミングで?


「あの女神様、一体どういう目的でこの体に……?」


 目的もなしにこの体に憑依させるわけが無い。いや、あの女神様の事だから単なるミスという可能性もあるか。


「……今日のレナとの戦いもこの体のせいか…?」


 俺はレナとの戦いで今までとは違う感じだった。

 前までは人を殺すことに抵抗があったが、今の俺は()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 翼が取れた時のレナの姿は人間と瓜二つだ。前までなら少し倒すことに抵抗があったが今は抵抗が全くという程無かった。


 魂は元々の体とは別の体に入るとその体に適応するために少しづつ変化していく、と聞いたことがある。

 恐らく俺はその状況に陥っている。


 数年後……もしかしたらあと数ヶ月で元の世界の『桜木 士郎』という存在は消え、完全にこの世界の『シロウ サクラギ』になるだろう。謎の記憶もその前兆に違いない。


「……はぁ」


 どうしようもない事に自然とため息が出る。

 自分でも気が付かないうちに変化が起きているのだ。変化を抑えること、ましてや変化を止める術を俺が持つ筈が無い。


「……ま、気にしていてもどうにもならないか」


 たとえ数年、数ヶ月後に桜木 士郎からシロウ サクラギになったとしても俺という魂は消えることは無い。


「俺は俺だ。それ以上でもそれ以下でもない」


 自身の変化に少し恐怖はある。

『いつか俺という魂さえも全く違うものに変わってしまうのではないか?』と、この状況に気が付いた時からずっと思っている事だ。


 しかし、感じる恐怖は少しだ。

 何故ならば、俺自身が変わろうと俺の魂であることに変わりはないのだから。

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