ガルメの危機
「ハッ!」
「グギャッ!」
今、俺はリアラとエレナとは別行動をして町の中に侵入してきた魔物と戦闘をしている。
「くそっ、何でこんなに侵入してきてるんだよ!」
燃える町に魔物の死体。まるで地獄のような景色だ。何故この状況になっているかは約一時間前に遡る。
* * * * * * * * * * * *
「もうすぐガルメに着きますよ」
「あぁ……」
「……私の治療魔法あまり効かなかったですか?」
「いや、そんなことは無い。リアラのお陰でかなりダメージは回復できた」
「そうですか、良かったです」
俺がずっと感じている嫌な予感がどうやらリアラ達を心配させてしまったらしい。
「シロさん!!」
「ん?何d……!?」
エレナの方向に振り返る瞬間にチラッとガルメの町が見えた。ガルメの町を見て俺は言葉を失った。
何故なら……。
「あれは……燃えている……!?」
そう、俺たちの目の前に見えるガルメから煙を上げて燃えているのだ。
いったい俺達が遺跡に行っている間に何があったのだろうか。
「と、とにかく急いで町に向かいましょう!」
「言われなくてもそのつもりだ!」
俺達は急いでガルメに向った。
ガルメの出入口に着くとそこにはこの出入口を守っていたであろう門番の人が倒れていた。
「大丈夫ですか!?」
「—————ぁ」
よかった、まだ生きている。
だが、辛うじて息をしているのでもう長くは生きられない。
「リアラ!この人にさっき俺に使った治療魔法を使ってくれ!」
「はい、わかりました!」
そう言ってリアラは門番の人に治療魔法をかけた。
死んでいない限り治療は可能な筈。
頼む、間に合ってくれ!
「……う……ハァ……ハァ……」
苦しそうだが、とりあえず死ぬ危険はなくなった。
苦しそうにしているのは急な呼吸器官の回復或いは疲労によるものだろう。
「何があったんですか?」
「……魔物が……群れでこの町に攻めてきたんだ……。それも……大量にな」
「なっ!?」
魔物が大量の群れで攻めて来ただって!?
魔物には群れを作って行動するくらいの知能はあるが全員が同じ目的で動くことはない。
群れであってもそれぞれ違う目的で魔物達は動いている。
だが、そんな魔物が『町を攻める』という同じ目的で動いている。
「……何かある……」
そう俺は思った。
魔物が何らかの進化をして知能が激的に上がったか、この辺りにとても強い存在が現れてその存在に魔物達が従っているか、そう俺は予想する。
「兎に角、今は町に侵入した魔物を倒すぞ!」
「はい!」
「言われるまでもないよ!!」
しかし、町に侵入した魔物の数も大量の群れだと言うならかなり多いだろう。
「リアラ、エレナ、ここは二手に分かれよう。」
「「え!?」」
俺の提案に二人は驚く。そりゃそうだ。二手に分かれるより三人で戦った方が安全に決まっている。
しかし、この町に侵入した魔物の数は決して数え切れるほどの量である筈がない。ここは二手に分かれた方が効率がいい。
「……ま、そうだよね。大量の群れって言うかくらいだから二手に別れたほうが効率がいいもんね」
「その通りだ。組み分けはリアラとエレナの二人、そして俺一人だ」
リアラとエレナは強化スキルを持っている。
そのため、速さを上げて魔物を翻弄させながらの攻撃が可能だ。
そう簡単に魔物の攻撃には当たらないだろう。
「……二手に分かれる、という時点でこの組み合わせということは大体分かってました」
やっぱり出会ってから一番長い間一緒にいたリアラには俺の考えも大体分かるらしい。
「俺が一人ってとこは気にするな!別に一人でも大丈夫だ!」
「……ならこれを受け取ってください」
リアラはポケットからアミュレットのような物を取り出して俺に渡してきた。
「これは?」
「私の強化スキルを付与をしたアミュレットです。これがあれば、シロさんは任意のタイミングで強化スキルを使えます」
何その超便利なアミュレット。これがRPGゲームで言うアクセサリーの類に入るものか。
「アミュレットの強化スキルを発動してから一時間まで継続できます。でも、使用回数に限りがあるので気を付けてください」
「了解。……ありがとなリアラ」
俺はリアラから貰ったアミュレットを首にかける。
それにしても一時間か……勝負が長引く相手じゃない限りは大丈夫そうだ。
「それじゃあ、ある程度倒したら町の中央で落ち合おう」
「「了解!」」
二人の声を最後に二手に分かれて行動を開始した。




