改めまして
「さて、それじゃあエレナの持っているスキルを教えてくれ」
「はい、わかりました」
町に戻ってきた時の時刻はもう午後六時を過ぎていた。
今、俺達はエレナと一緒に昨日止まった宿にいる。
エレナの目のことや動きの正体きついて話をしている。
俺の予想では、あの動きの正体はスキルだと思っている。スキルなしであの速さで動けるのなら、もうそれは人間ではないだろう。
「私のスキルは『強化』『体力低下』そして、『起動』です」
「「起動?」」
強化と体力低下は名前でどんなスキルなのかはわかるのだが起動なんてスキルは聞いたことない。
「この起動スキルは使用すると、魔力大量消費などのデメリットなしで俊敏が通常の三十倍になります」
「さ、三十倍!?」
何そのチートスキル!?
三十倍にもなれば動きが見えなくて当然だ。
しかし、その速さで動くのは常人の体には耐えられない筈だ。
「よく今まで体が無事だったな」
「そうですね。私の体の殆どが機械じゃなかったら下手したら死んでましたよ」
「ん?今何て?」
聞き間違いなのか、体の殆どが機械って聞こえた気がするのだが……?
「何って……下手したら死んでた——」
「いや、そこじゃなくてその前」
「……私の体の殆どが機械、ですか?」
やっぱり聞き間違いじゃなかったー!!
体の殆どが機械の人なんてこの世界にもいるんだな。
「でも、見た目は人間と同じですが……」
「それは私が元々人間だったからです」
ということは、エレナは改造人間ってことでいいのか?
じゃあ、目が赤く光る原因は改造人間だから、てことでいいのか?
「何故機械の体かは……言わなくてもわかるかも知れませんが、このスキルの速さに耐えられるようにです。他にも理由はありますが……まぁ、これはまた後日に話すとします」
何だか興味深い話だが、今話してくれないようだ。
確か、リアラもそんなことを言っていた覚えがあったような……。
「スタミナがないのはその体力低下が原因でいいのか?」
「はい、その考えであってます」
スタミナがないのはどうしようもない。デメリットスキルは消すことが出来ないからな。
この世界の人達は必ず一つはデメリットスキルがあるのはこの世界の補正的な何かなのかな?
「あの、こんな燃費の悪い仲間いりませんよね……?」
急に落ち込みながら俺達に言ってきた。
こういう発言をする時は大抵過去に何度か『いらない』や『必要ない』などのことを言われたのだろう。
「はぁ……何言ってんだ。燃費が悪いのはそのスキルを使う前提で言っているんだろ?じゃあ、そのスキルを使わなければ戦えるわけじゃないか」
パーティに入ればその人は仲間だ。その後一緒についてくるのは本人の自由。仲間にいるかいらないなんてそんなのは関係ない。
「俺達とこれからも一緒にいるのはエレナの自由だ」
「……本当にいいんですか?」
「もし、一緒に来てくれるなら俺達は大歓迎だ!そうだろリアラ?」
「はい、エレナさんが来てくれるのなら私はとても嬉しいです!」
リアラもエレナの加入には大歓迎だ。
他のパーティがいらないのなら俺達が喜んで仲間にしてやろう。
「では、改めましてエレナ イノルセスです。よろしくお願いします!」
「あぁ!こちらこそ!」
今日この瞬間、エレナが俺達の本当の仲間として加わった。
締めが下手ですみません。




