崩壊
中々話が出てこなかった為、更新が遅くなりました。申し訳ありません。
近い内に一二話くらいは更新したいと思っています。出来ればGW中に。
「うぉおおおーー!」
邪龍に向かって剣を振り、射出を同時にする。
「魔力解放」により消費魔力がなくなった今、こんな風に俺自身が動いて行動するのと射出による剣を飛ばしての攻撃を同時に出来る。
しかし、結構これも難しいもので少しでも気を抜けばどちらか片方に意識が向いてしまう。
「くっ、流石にキツい」
俺の総攻撃を防ぐのに精一杯の邪龍。
俺の総攻撃を全て弾いているのには驚いた。
「後ろがガラ空きだぞ!」
そこに背後から近付いていた父さんが切り掛る。だが、その攻撃をも邪龍はサイドステップでかわす。
一見、俺達と父さん。そして、邪龍との力の差では圧倒的不利に見えるが、段々こちら側が有利になりつつある。
邪龍は今、人間の姿だ。いつか体力も切れるだろう。
「ハッ!」
俺はこの後邪龍が来るであろう場所に剣を射出していく。そして、その全ての剣にはまだ俺の魔力を通し続けている。
「チッ、なかなかに面倒な奴らよ」
ある程度射出し地面に剣を突き刺さすと、俺は続けて剣を邪龍の方に射出しベストポジションへと誘導していく。
俺の作戦に気が付いたのか、父さんは剣が突き刺さっている場所に向かって邪龍を攻撃する。
——そして、その場所に来た!
「父さん!」
「おう!」
俺が合図を出すと、父さんは瞬時にその場を離れる。その様子に邪龍は疑問を持っている。
その疑問の答えを奴が導き出す前に殺る!
「爆破!」
俺は邪龍がいる場所の周辺に突き刺した剣と今もなお射出し続けている剣の中に通る俺の魔力を一気に溢れさせる。
「——! そういうことか!」
「もう遅い!」
邪龍が今起きることを理解した瞬間に全ての剣が同時に大爆発を起こす。
しかし、邪龍は爆発による爆煙の上から外に飛び出した。
「まさか、剣を爆破させるとは……」
邪龍は少し傷は負っているが、やはり爆発程度では死なない。
だが、俺がその事を予測していないとでも?
「創造・龍!」
「なにィ!?」
俺は上空にいる邪龍に向かって飛び、同時に龍属性の剣を創造する。魔力を爆発させた爆風を利用したジャンプなので邪龍が地上へと降りる速度よりも遥かに速い。
「次にお前は……これも計算の内か! と言う!」
「これも計算の内か! ……ハッ!」
「勿論だぜ!」
俺が周囲に突き刺した剣や射出していた剣の全ては邪龍を上にしか行けないようにしていた。
何故なら、空中戦に特化した相手でなければ、上空では地上にいた時よりも動きが制限される。特に、防御の面ではほぼ満足に防ぐことは不可能だ。
——そう、全ては邪龍が上空に出るのを待っていたんだ!
「トドメだ!」
「ぐぉおおおおお!!」
翼を生やそうとした邪龍だが、その前に俺は邪龍の胸に創造した龍属性の剣を突き刺した。
* * * * * * * * * * * *
邪龍の胸に刺さった剣は邪龍の心臓を破壊し、力が抜けた邪龍は俺と共に重力に従って落ちていく。
「見事だ……」
剣が突き刺さった邪龍は地面に仰向けの状態だ。念の為邪龍との距離は置いているが、邪龍が完全に死ぬまで油断出来ない。
「……これで、終わったのか」
俺の横に立つ父さんがそう言う。
本当に、これで終わりなら俺としては有難い。だが、こういう系の敵は結構しぶといというものだ。
「まだ、終わりはせんよ」
「なんだと?」
そして邪龍は、胸に剣が刺さっているにも関わらず上半身を僅かながら起き上げる。タフめが。
「言ってやろう。この空間は我の心臓の内一つを消費して作った空間だ」
「それがどうした」
「もし、我がこの世界を我が心臓に戻す場合どうなると思う?」
「——! まさか!」
その瞬間、空にピキピキとヒビが入り、崩れていく。それは空だけではとどまらず、そこら中に同じ様なヒビがいくつも入り、崩れ始める。
この空間が、崩壊を始めているのだ。
「まずい、今ここで奴を仕留めないとまた復活される!」
「射しゅ——」
俺が邪龍に向かって剣を射出しようとした瞬間に俺が立っていたところが崩れ落ちた。しかも、ピンポイントで俺が場所でだ。
「うわっ」
落ちる瞬間、咄嗟に崩れていない場所を手で掴む。
下を見ると、それはまるで宇宙のような美しさを持ち、無限に広がる世界があった。
「貴様が見ているそれは『空間の狭間』だ。そこに落ちれば二度と出られんぞ?」
「マジかよ」
さっさと上がりたいところだが、正直言って間に合いそうにない。空間の崩壊は思ったよりも早く、既に半分以上が空間の狭間の中へと消えていっている。
俺が掴んでいるこの場所もいずれは崩壊するだろう。
そして、もしもここを登ったとしてそれからどうする。崩壊する中、脱出手段を持っているのは空間移動が出来る邪龍だけだ。
「射出!」
剣を邪龍に向かって射出するが、ギリギリのところで届かない。角度的に当てるのは不可能だ。
だからと言ってここを登ってもその間にこの空間全て崩れる。間に合わないのだ。
「シロウが止めさせないんなら、俺が刺せばいい話だろ!」
父さんが邪龍に攻撃出来ない俺に代わって邪龍に攻撃しに行くが、その瞬間に父さんがいる場所を中心に一体の地面が崩れた。
これでは、俺のように他のところに掴むなんてことが出来ない。
「うわぁぁぁ……!」
「父さん!」
父さんが空間の狭間に落ちていく。それと同時に、俺が掴んでいた場所もついに崩れ始め、掴まっていたところが崩れてしまった。
「うわぁぁぁぁぁ……!」
——あと少し、あと少しだったのに!
その悔しさを抱いたまま、俺は空間の狭間に落ちていった。




