解体死骸ガール
「ねぇ、あの日の約束まだ覚えてる?」
「……あっ、そう……だよね。覚えてない……よね」
「ごめんね、未だにこんなこと言って……」
「引くよね……ごめん」
「あっ、待っ………て」
「ううん、ごめん、なんでもない……」
「え、あ、彼女できたんだ……そうなんだ……」
「よかったじゃん……え? 私? いないよ」
「好きな人……だって……いないし」
「あっ、もう待ち合わせの時間なんだ……」
「ううん……早く行きなよ」
「彼女さん……待ってるんでしょ」
「…………いいなぁ」
「じゃあ……ね……うん。また、ね」
「バイバイ」
「…………」
「…………」
「…………」
「…………」
「……うそつき」
「約束……したのに……」
「ばかだなぁ……私は……」
「こんな昔にした約束……楽しみにしてずっと待ってたなんて」
「バカだったなぁ……」
「ねぇ、なんで彼女つくったの」
「許さないよ」
「死んでも許さないからね」
「…………」
「好き……好き……好き」
「唇柔らかい……」
「無視しないで」
「寝てるの? 目が開いたままだよ?」
「乾燥しちゃうから閉じちゃうね」
「左手の薬指ちょうだい」
「一回反対側まで骨を折って」
「ごめんね、痛い……? ごめんね」
「あなたの中、温かいんだね」
「心を探したけどやっぱり見つからないなぁ」
「今日のお昼はうどんかな?」
「散らかしてごめんね。片付けるから……ごめんね」
「私も一緒にいくから怖くないよ」
「大丈夫だよ」
「約束忘れないで……」
「忘れないで」
「ごめんね」
「大好き……」
「…………」
「…………」
…………。