第6話
【死を司る狂乱の森】
そこはかの英雄達ですら帰ってくる事はなかった森だ。
全てが謎に包まれた場所だ。
死にたくなければ近付かぬ事だ。
《冒険者ギルド創始者ゴルゴ・ロッソの探索補助書より抜粋》
それが俺が【世界樹の書庫】で調べたこの森の資料だ。主に人間が知りうる限りの。
あ、挨拶しておくか!
いつもニコニコ、モンスター殲滅!
這い寄る龍(皇)神 東桐黎雅です!
さて、先ほど主に人間が知りうる限りと言ったが神からするとかなりお粗末な情報だ。だって、ほぼなにも書いていないのと同じだからな。
まあ、そんな事はどうでもいい。
なんせ、
「ギュウアアア!!」×350^2くらい。
モンスターに囲まれてるからな。
いやぁ、めんどくさい。つーか、居すぎだろ。すぐに殲滅どころか世界ごと消し飛ばせるけどな。
だけど、ある意味こいつらは空気を読んでると思う。俺の創造したスキル(いや魔法?どっちでも良いや!)の説明に使えるからな!
それじゃあ、やるぜー!
「『ひれ伏せカス共 』」
俺が言うとモンスターはひれ伏した。いや、この場合何かに潰されたのが正しいか?
「『死ね』」
モンスターが死んだ。
まあ、こんな感じなのだが物凄く凶悪な物だと思う。
このスキル(?)の名前は【神言術】というのだが、その効果はスキル(?)を発動しながら口にした言葉を実現するというものだ。対象は生物に限られる。
はっきり言ってチートだろう。
そんな事よりもこのゴミを回収しないといけない。
長いのでカット。
回収終了です。
いやぁ、めんどくさかった。だって………ねえ?あんだけ居たんだよ?それに終わる直前になってあのやり方を使えばいいと気付いて泣きそうになったよ。
でも、そんな事はどうでも良いね。
説明し忘れて居たけど、ここに来た理由を話そうと思う。
それは………………漆黒のグリフォンがこの森に居るからです!
漆黒のグリフォン───それは女神メネシスの車をひくと言われる生物として知られる。
まあ、それは嘘らしいけどね!
ネメシスさん本人に聞いたらそう言ってた!
因みにネメシスさんには
『いい?人間達が貴方に無礼を働いても怒らない様にしなさい。適度にならいいけど』
と良く言われた。
後、説明して置くと、この世界ではモンスターはいくつかのレート(級)に別けられる。
下のレートから並べると、
F
E(ゴブリン等)
D(ゴブリンソルジャー等)
C(ゴブリンジェネラル等)
B(キングゴブリン等)
A(レッサーワイバーン等)
S(地竜等)
SS(火竜等)
SSS(龍種等)
絶望級(三頭暴龍等)
となる。冒険者ランクはこの内FからSSSまでだ。だが、これは目安程度であり、個体によってはレート以上の強さを持つ場合もある。まあ、大抵は進化してしまうがダンジョン等の等級によってはそういうモンスターも少なくない。
冒険者はそういうモンスターがいた場合はかなり問題であるため、ギルドに魔石鑑定機というものがあるらしい。
それと、参考までに言うと普通のグリフォンのレートはSSレートの下位だ。かなり強いが俺の居た島のモンスターと比べるとそこら辺の虫と同じレベルだ。あそこは絶望級を越えた終焉級と呼ばれるモンスターしか居なかったからな。
そして、この森にいる漆黒のグリフォンは終焉級に至っている。
と、そんな事を言ってたら来たみたいだな。
「グルウウウウウ!!!」